研究課題
■共通化アプリ開発機構シングルソースからWebアプリとスタンドアローンアプリの両方を生成できる開発機構の研究開発を行なった。このため、(1)それぞれで異なったライブラリなどを利用しなければならない状況に対応できる共通化ライブラリを構成し、(2)ローカルストレージをHTML5のWebストレージにより実現し、(3)通信モジュールをHTML5のWebソケットにより共通化した.また、オフライン時対応に関してサーバ側の一貫性を保持するポリシーを実現した。 ■ユーザホスト研究開発Webアプリの稼動状態とファイルシステム関連イベントのプローブシステムおよびThinクライアントシステムの研究開発をGoogleのChrome Webブラウザをベースに行なった。ここでは、オープンソースWebブラウザであるChromiumプロジェクトに参加し、タブ管理とプロセス管理に対し制御できるプラグインへのAPIを構築した。ファイルシステムに関してはローカルファイルのみではなくWebアクセスおよびメールアクセスについてもログを残すことを可能にし、それぞれをアクセスしたウィンドウの可視性分析を現実的に実現した。
2: おおむね順調に進展している
共通化アプリ開発機構については、ほぼ予定どおりに研究開発を実施でき、オフライン時の対応処理についてもサポートすることができた。ユーザホスト研究開発については、当初の予定のファイルシステム以外にWebアクセス、メールアクセス、ウィンドウ操作についてもプローブシステムを実現でき、より充実した、PC上でのほぼ全ての作業に関して分析する基盤機構を実現することができ、予定以上にすすめることができた。クラウドゲートウェイ研究開発についてはPeerPoolネットワークのPoolゲートウェイをベースに進めていく予定であったが、今年度はこれまでに実現した機構で評価をすることができたため、当初計画していた機能追加は実施していない。今後、それが必要かどうかを見極める必要がある。
共通化アプリ開発機構ここでは共通化ライブラリを更に増やすことと、HTML5の規格がさらに固まってくることが期待されるので、WebストレージやWebソケットに関して引き続き共通化の研究開発を続ける。ユーザホスト研究開発これまでに開発したファイルシステム、Webアクセス、メールアクセス、ウィンドウ操作のロガーにより,またChromiumに新たに追加したプラグインのためのAPIを活用してThinクライアントシステム連携機構の研究開発を行なう。対応するクライアントサイドのクラウドホストは仮想ホスト生成機構を持ち、その仮想ホストとユーザホストからのユーザイベントをマッチメイクすることによって、実行環境を構築する。
今年度は研究成果発表として、国内学会および国際学会への参加、学会論文誌へ投稿した論文が採択された場合の掲載料、そして消耗品としてユーザサイドのクラウドホスト群の構築に使用する予定である。
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情報処理学会論文誌
巻: Vol. 53, No. 5 ページ: 印刷中(掲載確定)
巻: Vol. 53, No. 4 ページ: 1349-1359