研究課題
本研究では、「民俗芸能の舞踊伝承のための電子博物館」(以下、電子博物館)の構築を目指した。電子博物館としては、Webベースのもの(Web電子博物館)と出張式のもの(出張博物館)を考え、平成25年度には出張博物館を開発した。平成26年度は、民俗芸能の舞踊の伝承に資するために、1)舞踊の人文学的意義・芸術性を紹介できる、2)伝承技術を活用した舞踊の学習支援ができる、3)舞台環境の中で舞踊を鑑賞できる、舞台空間の中に入って舞踊を演じる体験ができるWeb電子博物館の開発を目指した。このような機能を持ったWeb電子博物館を構築するための要素技術として、これまでに、1)データベースから動作データをダウンロードしてCGで舞踊を再現できる、2)学習者の体型のCGモデルで模範演技を再現できる、3)舞踊の動作を解説するコンテンツを閲覧できるようなWebアプリケーションを開発した。これに加えて、平成26年度は、1)簡易な動作計測装置(Kinect)を用いて学習者の動作を入力し、学習者の舞踊をCGで再現できる、2)学習者は自分の演技と模範演技を観察しながら、習熟度の自己評価ができる、3)民俗芸能の舞踊が持つ人文学的意義や芸術性を紹介するコンテンツを閲覧できる、4)出張博物館で開発した舞台空間(舞台、周辺の様子、衣装、楽曲、踊り手)の中で演じられる舞踊の鑑賞体験、舞台空間の中に入って自ら舞踊を演じる体験ができるようなWebアプリケーションを開発した。これらのwebアプリケーションを統合して、民俗芸能の舞踊の伝承に資するために目指したWeb電子博物館のプロトタイプを構築した。構築したWeb電子博物館は、インターネットを使って公開している。舞踊データの追加、舞台空間の追加、利用方法の改善が残された課題であり、今後、さらに充実させていく。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (2件)
電子情報通信学会論文誌D
巻: Vol.J97-D ページ: 1014-1023
IEEJ Trans. on Electronics, Information and Systems
巻: Vol.9 ページ: 697-699
http://dmofda.hana.jp/DMuseum/
http://www.fts.ie.akita-u.ac.jp/buyofu/index.htm