画質評価で主に用いられるアンケートによる主観評価実験に代わる手法として,生体情報NIRSによって得られる脳血行動態に着目し,動画像を観察した被験者の脳血行動態と画質との関連性の検証を行った.結果,無圧縮動画像と高圧縮動画像には有意な差があり,動画像の品質の違いにより主観品質と脳血行動態には関連性があった. 符号化劣化の知覚による表情筋の変化を測定する実験では,画質が変化した場合,目の周囲の筋活動の増加が観察され,その筋活動から画質の変化が推定可能なことを示した.印象の強い画像で行った結果,画質による表情筋の筋電図の変化は測定できなかったが,表情の左側優位の傾向や快・不快の感情は測定できた.
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