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2011 年度 実施状況報告書

3次元モデルの部分形状による比較と検索

研究課題

研究課題/領域番号 23500117
研究機関山梨大学

研究代表者

大渕 竜太郎  山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80313782)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードマルチメディア検索 / 3次元形状処理 / 3次元グラフィックス / 画像認識
研究概要

H23年度は以下のような研究成果を得た.1. 局所特徴抽出手法の開発:先に我々は,3次元局所形状特徴とその位置コンテキストを組み合わせたFeature on Geodesics(FoG)特徴を提案した.本年度はFoGの改良を試み,検索精度の改善に成功したが,小さな改善にとどまった. 計算効率の高い,より高精度の特徴量の開発が必要である.2. 局所特徴対の効率的比較手法の開発:以下(1)~(3)の3つの進展がみられた.(1) 多様体学習に基づく特徴次元削減のの大規模化: Locally Linear Embeddingに代表される多様体学習に基づいた次元削減手法は学習段階の計算量が多い.これを低減し,より大規模なデータに対して多様体学習を適用するため,クラスタリングを用いて特徴点数を減らす手法を提案し評価した.(IEEE ICASSP2012において論文発表.)(2) コンパクト2進符号への距離保存ハッシュ法の評価: 特徴点間の距離を保存しつつ小さな2進符号にハッシングし,距離計算を高速化する手法を複数,複数の 3次元モデル形状特徴,複数の3次元モデルデータベースで評価した.その結果,非線形の多様体上を用いるAnchor Graph Hashing(AGH)法の性能が相対的に良いことが分かった.しかし,AGH 法を用いても,比較の高速化と引き換えに検索精度が低下した. (3) 乱雑化決定森を用いた類似度の順位付け:高速な多クラス類別器であるRandomized Tree(乱雑化決定木)を多数束ねたRandomized Forest(乱雑化決定森)を用いて線形順序を生成する手法を評価した.教師無し学習で求めた1000本程度の決定木からなる乱雑化決定森を用いると,L1距離等の単純な距離計算に比べて高い精度を,高速に得られることが分かった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記の研究実績の概要において,2. 局所特徴対の効率的比較手法の開発,についてはほぼ予定通りに進行している.しかし,1. 局所特徴抽出手法の開発,については少々の遅れがある.検索精度が高く,計算効率が高い局所形状特徴の開発が困難である,というのがその主な理由である. 副次的な理由としては,東日本大震災とそれに伴う計画停電の影響が無視できない.これらにより大学の行事・授業予定の変更があり,それらの対応に時間を費やした.また,停電により研究室のデータサーバPCに障害が起き,一部のデータを損失した.さらに,計画停電や節電の環境下で長時間を要する計算実験の実施が難しい場面もあった.昨年度の発表論文数が少ないのも,地震と計画停電の影響がある.(地震や計画停電,節電の対応を終えた秋には大方の論文投稿締切が過ぎていた.)

今後の研究の推進方策

今後,遅れ気味の「局所特徴抽出手法の開発」に精力的に取り組む.根本的に新しいアルゴリズムの考案が必要であろう.もうひとつの柱である「局所特徴対の効率的比較手法の開発」も継続して行う.

次年度の研究費の使用計画

H23年度は,東日本大震災とそれに伴う計画停電の影響で,国際学会への論文執筆・投稿を控えたため,旅費の支出が無かった.(唯一論文を発表した国際学会IEEE ICASSPはたまたま京都で開催された.そのために旅費の額が小さく,これを法人運営費から支出した.)反対に,物品費の支出が多かったが,これは,計算実験用PCを前倒しで購入したためである. H24年度は,H23年度の終わりにかけて執筆・投稿したのべ3件の査読付き論文が,2つの(海外で開催される)国際学会に採録されている.したがって,H24年度の旅費の支出は予定通り,または予定を少々上回る予定である.反対に,計算実験用PCなどの物品の支出が予定よりも小さくなる可能性がある.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Efficient manifold larning for 3D model retrieval by using clustering-based training sample reduction2012

    • 著者名/発表者名
      Megumi Endoh, Tomohiro Yanagimachi, Ryutarou Ohbuchi
    • 雑誌名

      Proceedings of IEEE International Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing 2012

      巻: 978-1-4673-0046-9/12 ページ: 2345-2348

    • 査読あり
  • [雑誌論文] SHREC '11 Track: Generic Shape Retrieval.2011

    • 著者名/発表者名
      Helin Dutagaci, et al.
    • 雑誌名

      Proceedings of Eurographics Workshop on 3D Object Retrieval

      巻: 2011 ページ: 65-69

    • DOI

      10.2312/3DOR/3DOR11/065-069

  • [雑誌論文] SHREC '11 Track: Shape Retrieval on Non-rigid 3D Watertight Meshes2011

    • 著者名/発表者名
      Zhouhui Lian, et al.
    • 雑誌名

      Proceedings of Eurographics Workshop on 3D Object Retrieval

      巻: 2011 ページ: 79-88

    • DOI

      10.2312/3DOR/3DOR11/079-088

  • [学会発表] 内部構造を考慮した3次元形状モデルの検索2011

    • 著者名/発表者名
      後藤 啓太,古屋 貴彦,大渕 竜太郎
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告. グラフィクスとCAD研究会報告 2011-CG-145(3), 1-8, 2011-11-10
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2011年11月17日
  • [学会発表] 近傍の距離に注目した多様体ランキング法の改良とその3次元モデル検索への応用2011

    • 著者名/発表者名
      栗田 侑希紀,大渕 竜太郎
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告. グラフィクスとCAD研究会報告 2011-CG-145(4), 1-7, 2011-11-10
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2011年11月17日
  • [備考]

    • URL

      http://www.kki.yamanashi.ac.jp/~ohbuchi/

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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