研究課題
本研究では迷惑メールに含まれるURLのドメイン部分(以下,誘導先ドメイン)に着目し,登録時期などのドメイン登録情報やそのドメインを管理するDNS(Domain Name System)サーバの挙動など,迷惑メール送信者が本質的に回避しにくい特徴に基づく迷惑メール対策手法を開発し,その有効性を検証することを目的とした.この目的のために,(a)DNSサーバの挙動に基づくフィルタリング手法の確立,(b)ドメイン登録情報に基づくフィルタリング手法の確立,(c)DNSサーバのブラックリストに基づくフィルタリング手法の確立,の3項目の実現を目指した.このうち(a)については,誘導先ドメインに対応するDNSサーバが任意のドメインに対する問合せに応答する一方で,SOAレコードの問合せに応答しないものが多いことを発見した.また(b)については,誘導先ドメインは登録されてから使用されるまでの日数が比較的短い点に着目し,ドメインの登録日を検索するシステムを作成した.(c)については特に(a)の結果に基づいて疑わしいDNSサーバを自動的にブラックリストに登録し,ブラックリストに基づいたフィルタリングを行うシステムを試作した.ただし,(a)の手法はメッセージに含まれるURLの数や誘導先ドメインに対応するDNSサーバの数が多いとかなり時間がかかることが判明したため,その対策として大規模なホワイトリストに基づく優先配送システムを作成した.平成25年度の研究成果としては,特に(b)の成果に基づき,ドメイン登録日に基づく迷惑メール判別システムおよび大規模なホワイトリストに基づく優先配送システムの開発が挙げられる.また,平成25年度はパスワード不正取得による迷惑メール発信が頻発したため,その対策として,偽造が難しい発信国情報に基づく迷惑メール対策手法を開発した.
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