研究課題/領域番号 |
23500125
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢向 正人 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (60239738)
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研究分担者 |
鵜林 尚靖 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (80372762)
松島 俊明 東邦大学, 理学部, 教授 (30190458)
遠藤 徹 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10313280)
薦田 治子 武蔵野音楽大学, 音楽学部, 教授 (00323858)
高桑 いづみ 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, その他 (60249919)
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キーワード | 未解読楽譜 / 古楽譜 / 日本伝統音楽 / 音楽データベース / 楽譜記述言語 / 音楽学 / 音楽情報検索 / 音楽情報処理 |
研究概要 |
本研究は、解読途上の未解読楽譜のデータを閲覧し、複数あるいは異なる種目の未解読譜に共有される譜字のデータを検索できるシステムを作成することを目標としている。研究の第二年次にあたる平成21(2013)年度は、昨年から引き続き、解読途上の未解読楽譜のデータを入力及び編集し、異なる種目の未解読楽譜に共有される譜字及び解読データを比較するシステムの作成に取り組んだ。本年度はソフトウェアの仕様にさらに検討を加え、実装に取りかかった。まず、未解読楽譜の譜字を、中心となる文字列である「中心譜字」と、その周囲の文字や記号である「付帯譜字」とに分割したうえ、中心譜字が詞章である、平家琵琶の譜本、能楽の謡本、長唄及び浄瑠璃の正本などの研究を想定し、ソフトウェアの設計を進めた。中心譜字が楽譜の詞章である場合、付帯譜字は、音高や音価などの情報を持っていると考えられる。そこで譜字の構成と配置を編集できるように、方眼紙状にセル分割された画面を設計した。この他、未解読譜字として知られる長唄正本の胡麻点の研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に引き続きソフトウェアの仕様を作成した。そのうえで、本年度はソフトウェアの実装にとりかかった。しかし、実装を十分に行うためのプログラマを雇用することができず、外注を余儀なくされた。具体的には、学生プログラマの引き受け手がなかったために、ソフトウェア開発業者及びプログラマ数名と交渉を行った。この結果、交渉は成立し実装には取りかかれたものの、交付を受けた研究費内で当初計画したソフトウェアを作成することが難しいことが判明した。現在は、計画を縮小して研究費内で開発できるソフトウェアを作成している段階である。この他、ソフトウェアに入力する未解読楽譜の個別研究として、長唄の正本にみる未解読譜字の分類と体系化を行った。
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今後の研究の推進方策 |
ソフトウェアの残りのプログラミングを進めるとともに、研究分担者と本研究についての検討会を行う予定である。また、将来において本研究のソフトウェアに入力することになる未解読楽譜について、前年度の引き続き音楽学の方法により解読研究を進める予定である。また、成果公開を行ったうえ報告書を作成したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に使用できる研究費のうち、70%をプログラマへの謝金、もしくは外注したソフトウェアを購入するための物品費に充てる予定である。この額は、交付申請時に予定していた額より多い。この理由は、当初予定していた学生プログラマの雇用が困難になったため、ソフトウェアの外注を余儀なくされたためである。この増額によりその他の額を減らし、20%を研究分担者との打ち合わせ及び旅費に、10%を設備備品及び消耗品費に充てる予定である。
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