研究課題/領域番号 |
23500141
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
坂口 嘉之 立命館大学, 総合科学技術研究機構, チェアプロフェッサー (50425021)
|
研究分担者 |
脇田 航 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (80584094)
田中 弘美 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10268154)
|
キーワード | 一般化二色性反射モデル / CG / BRDF / 表面化散乱 |
研究概要 |
マルチバンドBTFによる反射成分の分離と検討:2ショットマルチバンドでHDR画像を撮影し、画素毎に分光スペクトルを推定を行った。スペクトル推定精度を高める目的でPLS法の導入を試みた。実測値だけでトレーニングデータを構成すると誤差は小さくならなかった。分光計で測定したスペクトルから6バンドのトレーニングデータを構成すると誤差は非常に小さくなったが、汎化能力が低く、ノイズに弱かった。そこで、分光計で測定したスペクトルから作成した6バンドデータと2ショットマルチバンドの実測データからトレーニングデータを構成すると、誤差が小さく、ノイズの影響も少ない推定ができるようになった。 相互反射と透過成分の測定と解析:プロジェクタで格子パターンを織物に投影し、格子パターンを1画素づつ変化させることにより、内部散乱光を正確に測定できるうになった。相互反射と表面化散乱を分離して解析した結果、表面散乱の正反射成分は、3mmもの長い距離を進んでいることが分かった。どのような経路を進んでいるのか検証を予定している。 リアルタイムCGレンダリングへの拡張:リアルタイムCGレンダリングへの拡張では、実験によって得られた知見に基づき、新しい反射モデルのCGレンダリングへの応用を行い、織物のリアルタイムCGレンダリングを行う計画であった。高精細IBLができるようになったが、内部散乱をコントロールしてCGを作成できる表現にまでは至っていない。今後の予定としたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マルチバンドBTFによる反射成分の分離と検討は、80%程度の達成度。相互反射と透過成分の測定と解析は、90%程度の達成度、リアルタイムCGレンダリングへの拡張は、60%程度の達成度と思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
プロジェクタによる計測で、表面反射と表面下散乱を分離できるようになったので、表面下散乱成分に関して、相互反射と表面下散乱に分離し、さらに、反射方向に指向性がある成分とない成分に分離して調べた。この結果、指向性のある表面下散乱が支配的であることが分かった。今後は、指向性のある表面下散乱の伝達経路を調べていき、質感表現のモデルに組み込む予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
2ショット6バンドのマルチバンドカメラでは、各バンド間で推定誤差が増大するので、光源にフィルターを入れて6バンド撮影を行い、PLSによる推定精度をさらに向上させる。 出張旅費で予定していた・【ACM SIGGRAPH 2012】・【CVIM研究会技術研究報告】・【2013年電子情報通信学会総合大会】3件は、ほかのメンバーが発表したため、予定の執行金額に至らなかった。
|