研究課題/領域番号 |
23500151
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
山崎 敏正 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (50392163)
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研究分担者 |
井上 勝裕 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (00150516)
前田 誠 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (00274556)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | BCI / サイレントスピーチ / Kalman filter / 運動準備電位 / 運動前野 / Broca野 |
研究概要 |
本研究では、サイレントスピーチを利用した単一試行脳波に基づく新しいBCI(SSBCI)を開発中である。このSSBCIは2つのフェーズから構成され、前者では発話時の脳波と音声信号を利用し、後者ではサイレントスピーチ時の脳波を利用している。これら両脳波の中に運動準備電位が含まれると仮定し、前者のフェーズでは、ICA後ECDLによって、運動野、運動前野あるいはBroca野にダイポール推定された脳波成分と音声信号からKalman filterモデルを特定する。後者のフェーズでは、発話に関係する領野、特に運動前野がホルマント周波数(F1とF2)をencodeしているという仮説(DIVA仮説)の下に、サイレントスピーチ時に計測された脳波で、そのECDL結果が運動野、運動前野、あるいはBroca野である脳波をKalman filter モデルに入力し、出力として音声信号(スペクトログラム)を予測している。今年度は、本SSBCIの前提となる、(1)運動準備電位の確認と(2)DIVA仮説の検証を実施した。その結果、(1)について被験者10名のgrand averagesから運動準備電位が確認でき、更に、発話とサイレントスピーチの場合の運動準備電位の違いも発見できた。(2)については、スペクトログラムと脳波データの相関係数と算出し、検証に成功した。最後に、「グー」と「パー」については、被験者10名全員の予測が正しいことを示せた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、H23年度は、運動準備電位の確認と、Kalman filterのパラメータ(脳波データと音声信号のtime lag、downsampling、初期値)の検討であったが、これらに加えて、H24年度予定の被験者10名全員で「グー」と「パー」の正答を得たから。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を「チョキ」へ拡張する。また、各被験者内での正解率を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度得た成果を国内外へ発表することが中心になるので、そのための費用が主になる。また、脳波計測環境の充実化もはかる。
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