研究課題
大画面公共タッチ画面のインタラクションに関しては,利用者の意識という観点での扱う情報の特性に応じた情報表示方法や操作方法について,シナリオ手法を適用してデザインした.そのシナリオを基にして,インタラクティブな大型公共ディスプレイを安心して個人利用するための一手段として,危険度に応じた情報を付与した周辺状況を利用者に提示することの有効性検証を,公共空間にて実施した.具体的には,利用者の背後の状況をカメラで撮影した映像を投影する方法,通行人の距離と向きに応じた周辺状況の危険度を利用者に色で提示する方法,およびそれらを組み合わせた方法について,評価システムを実装しそれらの情報提示方法を評価する実験を行った.この評価システムでは,情報端末と人とのインタラクションに加えて,周囲の他者と関係について,対人距離,パーソナルスペースといった観点から情報呈示法を検討し,実装している.その結果,利用者と通行人の位置関係や通行人の向きを基にした「危険度」をシステムが算出し,その「危険度」だけを色で表現し利用者に提示する方法は,利用者の安心につながるとはいえず,さらにいえば,却って不安にさせてしまう可能性があることがわかった.その一方で,利用者背後の様子を撮影してディスプレイ上に投影する方法,すなわち背後の様子そのものの情報に周囲の危険度を表す色情報を付与して提示することが安心感つながることが示唆された.上記内容について,情報処理学会の論文として投稿し,採録されている.
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情報処理学会論文誌
巻: Vol.55, No.4 ページ: 1264-1274
Proceedings of HCII2013
巻: LNCS 8016 ページ: 55–61