研究課題
1. 動的最適化の検討の拡張(今年度): 平成23年度に検討した「予測値を利用した探索方式」を拡張し、予測と再探索を組み合わせた最適巡回路探索方式を検討した。本検討により、申請書に記載した「動的最適化の検討」は完了した。この方式を項目2に示すシミュレータに組み込み、実世界を対象とした評価を行った結果、平成23年度に検討した方法に比べて性能が10%向上することを確認した。2. 実世界を対象としたシミュレータの開発(今年度): 宅配便の最適配送路探索問題を対象として問題解決システムを開発した。市販されているカーナビ用のデジタル地図とVICS(双方向車両情報サービス)センターがカーナビ用に配信している交通量データを用いている。本システムは、地図・交通量データベース、交通量予測システム、最適経路探索システム、最適巡回路探索システムで構成される。3. 実世界を対象とした総合評価実験(今年度): 上記シミュレータを用いて、アントコロニー最適化法(ACO)の代表的な2つのモデル、ならびに従来研究の中で最も有効と考えられているモデルの計3つと本手法を比較した。顧客の数を50~300人、車が配送を開始する時間を6時~18時について実験を行った結果、全てのケースにおいて、本手法の性能が32%~55% 優れていることを確認した。4. 研究期間全体を通じて実施した研究の成果: 実世界の大規模かつ動的な問題に対してACOの有効性を示したことは、学術的な観点から重要である。ACOに問題領域の知識を取り入れる方法を提案したことは独創的である。開発したシステムを実世界に応用することにより、輸送エネルギーやCO2の削減を図ることができる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
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