統計的学習においては、与えられたサンプルに対して確率モデルと事前分布の適切さを評価する規準としてベイズ自由エネルギーが知られているが、事後分布が正規分布で近似できないときにはその値を計算する方法は作られていなかった。本研究では、広く使えるベイズ情報量規準(WBIC)という概念を創出し、双有理幾何学に基づく数学的方法を応用することによりWBICがベイズ自由エネルギーと漸近的に同じ挙動を持つ確率変数であることを証明した。得られた定理を用いて、サンプルから階層構造を抽出する確率モデルにおいても統計的に適切なモデルを選ぶことができるようになった。
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