研究課題
本年度は、環境適応的に物体を検出することのできるモバイルロボットの研究開発を行った。リフティング複素ウェーブレット変換(LCWT)を利用する画像の局所特徴量を高速に抽出するアルゴリズムを開発し、類似画像検索システムに基づく物体検出システムをモバイルロボット上に実装した。提案するLCWTは自由パラメータをもつ複素ウェーブレットフィルタの組である。この自由パラメータをロボットが行動する環境に対して適応的に決定するアルゴリズムを考案した。具体的には、まずロボットが行動する環境空間において、実際にロボットが行動しつつ画像を収集し、それらを訓練画像とする。ここで初期パラメータをもつLCWTにより訓練画像集合からキーポイント群を抽出し、それらをクラスタリングすることによりVisual Wordの集合を得る。訓練画像集合におけるVisual Wordの使用頻度がなるべく偏らないようにLCWTのパラメータを遺伝的アルゴリズムに基づいて更新し、Visual Wordの再抽出を繰り返す。実際には、Visual Wordの頻度分布のエントロピーが大きくなるように計算を実施した。この処理により、どの画像も持つようなVisual Wordが減り、物体の識別に有効な特徴ベクトルが抽出できるようになることを期待している。我々が開発したモバイルロボットを用いた実験において、最終的には世代数が100まで繰り返し、物体検出の精度が向上することを示した。本研究成果を国際会議 Ambient Intelligence 2013において発表した。
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Ambient Intelligence (AmI 2013)
巻: LNCS 8309 ページ: pp.182-197