研究課題
本研究は談合の存在を考慮した入札方式(メカニズム)をモデル化し,談合の影響を受け難い組合せ調達メカニズムとその調整技術を開発することを目的とする.組合せ調達メカニズムとは1人の買い手が複数の財やサービスの組合せを複数の売り手から同時に調達する入札方式を言う.近年,公共事業の入札などで談合が多発していることが指摘されている.談合とは,競争入札において複数の入札者が前もって落札者や入札額などを協定し,入札者の利益を不正に増加させる行為である.このような社会的に不適切な談合や一円入札を従来の入札方式が防ぐことができない原因として,談合の存在を考慮した入札方式の構造を正しく解析・評価するための理論的基盤が極めて脆弱であることが挙げられる.このため,従来の談合を内包したメカニズムのモデルをもとに,従来の単一財調達メカニズムを複数同一財調達へ拡張した.その結果,談合に頑健なメカニズムが,財の買い手の費用の期待値を最小化するメカニズムとほぼ同値になることがわかった.さらに組合せ調達メカニズムにおける費用最小化は,メカニズムデザイン理論の中でも長年の未解決課題となっている.そこで,一般的な状況における費用最小化メカニズムを考える代わりに,自動メカニズム設計(最適化)の観点から,ある状況に特化した費用最小化メカニズムを探索した.ここでは,限量記号消去法という算法を用いてメカニズムデザインを自動化する手法を設計した.これは従来離散化しなければならなかった参加者の評価値を連続のまま扱える手法で,多項式集合で表現されたメカニズムから一般的なルールを抽出するのが極めて容易になる.これにより,従来と異なる前提の下,費用を平均的に最小化する単一財メカニズムの表現を提案した.さらに参加者が評価値と予算制約の組合せをもつ場合に,その社会的余剰を最大化するメカニズムを新たに発見することに成功した.
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コンピュータソフトウェア
巻: * ページ: *
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