• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

階層構造モデル化に基づく多変量時系列医療データからの知識発見

研究課題

研究課題/領域番号 23500190
研究機関同志社大学

研究代表者

大崎 美穂  同志社大学, 理工学部, 准教授 (30313927)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード知識発見 / 多変量時系列 / 検査治療履歴 / 予後予測
研究概要

慢性病の医療データは多変量時系列であるため,人手による理解には限界があり,病状把握や治療に役立つ知識を自動的に発見する仕組みが望まれる.本研究では慢性肝炎の検査治療履歴を題材とし,知識発見の方法論の確立を最終目標とする.今年度は,慢性肝炎の多数を占めるC型慢性肝炎に的を絞り,単変量ARモデルによる病状の記述と肝線維化ステージ予測に役立つ特徴量の抽出を試みた.具体的には,検査項目の選定,選定した項目の検査値時系列の抽出,抽出した検査値時系列の基本統計量の分析,各検査項目に対する単変量ARモデルの当てはめと特徴量抽出,肝線維化ステージ予測に対する特徴量の有効性検証を行った.特徴量の抽出と検証では,医療データ特有の性質を考慮し,平均,標準偏差,単変量ARモデルに基づくLPCケプストラムの組合せを特徴量として提案した.そして,検査値時系列の動的特性を表す他の特徴量を比較対象とし,各特徴量の肝線維化ステージ予測の性能を調べた.その結果,提案する特徴量の予測性能が最も高く,病状の記述と予測に適することが確認された.この研究に加えて,従来研究で肝線維化ステージ予測に用いられた分類器(重回帰,ロジスティック回帰,サポートベクターマシン)を比較し,将来的な分類器の改善への指針を得る実験も行った.これらの成果は,国内の研究会3件において公表した.また,次年度の公表を目指して,これらの成果に基づく国際会議講演論文と学術雑誌論文を執筆中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度はC型慢性肝炎の検査治療履歴を対象として,検査項目の選定,選定した項目の検査値時系列の抽出,抽出した検査値時系列の基本統計量の分析,各項目に対する単変量ARモデルの当てはめと特徴量抽出,肝線維化ステージ予測に対する特徴量の有効性検証を行った.病状の記述に力点を置くため,治療項目に関しては次年度以降に持ち越すことにしたが,それ以外はほぼ予定通りの進捗である.

今後の研究の推進方策

今年度において,C型慢性肝炎の検査値時系列のモデル化と特徴量抽出の基礎固めができた.次年度は,モデルの表現能力を拡張し,局所的な傾向や検査項目間の相互作用の記述,および,肝線維化ステージ予測の性能向上を目指す.また,本申請の当初は想定していなかったが,近年注目を集めているベイズ主義的な枠組みでのモデル化も試みる.

次年度の研究費の使用計画

今年度は,主に研究に必要な物品,特に実験用のハイスペックデスクトップPCに研究費を使用した.次年度は,研究のさらなる推進と成果の公表に重点を置きたく,肝線維化ステージ予測システムのソフトウェア開発を補助するアルバイトの謝礼,国際会議講演論文の英文校正,学会発表の諸経費を主な使途とする.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] C型慢性肝炎の肝線維化ステージ予測に適する特徴量の検討2012

    • 著者名/発表者名
      谷口恵梨,大崎美穂,片桐滋,横井英人,高林克日己
    • 学会等名
      第39回知能システムシンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学 西千葉キャンパス けやき会館(千葉市)
    • 年月日
      2012年3月16日
  • [学会発表] C型慢性肝炎の肝線維化ステージ分類手法の比較2012

    • 著者名/発表者名
      松田健司,大崎美穂,片桐滋
    • 学会等名
      第32回東海ファジィ研究会
    • 発表場所
      日間賀島公民館(知多郡)
    • 年月日
      2012年2月12日
  • [学会発表] C型慢性肝炎の肝線維化ステージ予測に役立つ特徴量の提案2012

    • 著者名/発表者名
      谷口恵梨,大崎美穂,片桐滋
    • 学会等名
      第32回東海ファジィ研究会
    • 発表場所
      日間賀島公民館(知多郡)
    • 年月日
      2012年2月12日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi