研究課題/領域番号 |
23500194
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
木村 昌弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10396153)
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研究分担者 |
斉藤 和巳 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (80379544)
大原 剛三 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (30294127)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 社会ネットワーク分析 / 情報拡散モデル / オピニオン形成モデル / 学習アルゴリズム / 変化点検出 / データマイニング / 複雑ネットワーク科学 |
研究概要 |
(1) 異なる価値をもつ複数のオピニオンが、反多数派オピニオニストの存在の下で社会ネットワーク上をどのように広がるかを研究するために、従来の2つのオピニオンの反投票者モデルを複数オピニオンに拡張して、価値重みつき投票者モデル(VwVモデル)と結合した価値重みつき混合投票者モデル(VwMVモデル)を提案した。機械学習の枠組みにおいてモデルを定式化し、観測データから各ノードの反多数派度と各オピニオンの価値を学習する手法を提案し、実社会ネットワークを用いた実験によりその有効性を実証した。(2) 外的状況の変化により引き起こされる社会ネットワーク上での情報拡散の挙動変化を、限られた観測データから検出する問題を研究した。外的状況の変化を確率的情報拡散モデルにおけるパラメータ値の変化としてモデル化し、その変化がいつ生じ、どのくらい持続し、そしてどの程度に大きさであったかを検出する効率的手法を提案した。特に、非同期時間遅れ付き独立カスケードモデル(AsICモデル)と価値重み付き投票者モデル(VwVモデル)に対して提案法を適用し、実社会ネットワークを用いた実験でその有効性を示した。(3) 社会ネットワークにおけるオピニオン形成モデルとして、ノード属性の関数によりノードの強度をモデル化して投票者モデルに組み込んだ、複数オピニオンをもつ属性重みつき投票者モデル(AwVMモデル)を提案した。そして、オピニオン観測データから、そのノード属性パラメータの値を推定する効率的手法を提案し、実社会ネットワークを用いた実験でその有効性を示した、また、AwVMモデルの性質を解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
社会ネットワーク上のカルチャーダイナミクスモデルとして、情報拡散やオピニオン形成におけるいくつかの数理モデルとそれらの学習法を提案し実データで評価した。そして、研究成果をいくつかの論文として発表した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、さらなる実データの収集と分析を行い、それに基づいて数理モデルの改良とパラメータ推定法の改良を行う。また、情報拡散データやオピニオン形成データからの知識発見など、各種応用の提案を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果を国内の研究会および国際会議で発表するための費用として使用する。また、実データ収集のための費用として、謝金に使用する。
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