研究課題/領域番号 |
23500201
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 亨 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 准教授 (80222652)
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研究分担者 |
福士 将 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (50345659)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 知能ロボティクス / 画像情報処理 / 多眼ステレオ / シーンフロー / 並列計算 / オプティカルフロー / ボクセルベースの手法 |
研究概要 |
今年度は,本研究で開発を目指すシーンフロー推定法の三つの構成要素(物体表面判定・オプティカルフロー計算・シーンフロー計算)について基本設計と実装を行った.物体表面判定には,申請者らが提案しているボクセルベースの多眼ステレオ法を,オプティカルフロー計算には,申請者らが並列化を行った時間評価型オプティカルフロー検出法を用い,シーンフロー計算には,Vedulaらにより提案されている手法を用ている.阿部(研究代表者)は,これら3つ部分を効果的に連携・統合し,高精度なシーンフローを得るための手法の検討を行った.また,ボクセルベースの多眼ステレオ法(物体表面判定法)に対し本申請者らが提案した並列計算法は,カメラが直線的に配置されることを前提としており,この前提から外れる場合は処理効率が低下する.そこで,任意のカメラ配置に対しても高い処理効率を得るためには,並列計算法の改良が必要となる.福士(研究分担者)は,主にこの部分を担当した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の実施を当初計画していた,シーンフロー推定法の三つの構成要素の基本設計と実装,および,ボクセルベースの多眼ステレオ法に対する並列計算法の拡張は,ほぼ予定通り完了することができている.これらの成果については,「13.研究発表」に示すように,複数の国際会議,国内会議で発表を行っている.以上のことから,本研究計画は,おおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は,これまでに行った動作検証実験での検討結果に基づき,シーンフロー推定法と並列計算法の改良を行う.これと並行して,シーンフロー推定精度,処理速度に関し,中間的な評価実験を随時行う.主に阿部は,シーンフロー推定の効率化を図るため,処理単位となる画素やボクセルの階層化方法,画像中の特徴的箇所やシーンフローを優先的に計算する箇所の事前選択方法の検討を行う.さらに,オプティカルフロー計算を種々の異なる手法に交換し,物体表面判定・シーンフロー推定の精度を比較する.その結果,より有効なオプティカルフロー計算手法が見出された場合は,その手法の並列計算化を福士と協調して行い,シーンフロー推定法中の手法の変更を図る.また,主に福士は,各PEでの負荷・通信の状況を計測し,並列計算におけるパラメータやPE間通信方式の最適化を図る.さらに,得られた計測結果と本申請者らのノウハウに基づき,パラメータや通信方式を状況に応じて自動的に最適化する手法の実現について検討を行う.さらに,新たに撮影した時系列画像,および,計算センターの大型計算機等を使用し,大規模な対象(多数台のカメラによる時系列画像,多数のボクセルで構成された対象空間)に対する提案手法の最終的な評価実験を行い,今後の研究課題の洗い出しを行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度(平成24年度)は,評価実験の開始に伴い,入力用の時系列画像・処理後の時系列画像を記録するための画像記録装置 1台,および,実験用PC 1台を物品費(550,000円)で追加購入する.また,今年度得られた成果発表のための外国出張(ICIP2012にて発表,米国 Florida,2名),および,成果発表(2回),研究打合せ(2回)のための国内出張を旅費(550,000円)にて行う.さらに,データ計測・整理等の作業を研究協力者に依頼する際の謝金(100,000円),成果投稿の際の論文校閲料・投稿料(100,000円)を研究費として使用する.
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