研究課題/領域番号 |
23500207
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
三好 正人 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (40396205)
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キーワード | マイクロホンアレイ / 指向性 / 変調周波数 / スペクトル減算 / 音声明瞭度 / 音声強調 |
研究概要 |
講演音声の高品質自動アーカイブ化に資する遠隔音声収録システム技術の確立に向け,次の各要素技術の検討を進めた: (1) スポットライト収音 前年度に考案した指向性マイクロホンアレイ設計方法を元に,縦横各20個のマイクロホン素子を配列した二次元アレイを構成し,空調騒音等の存在する実際の講義室を模した仮想音場を用いるシミュレーション実験を行い,上記設計方法の性能を評価した.良好な雑音抑圧性能,及び指向軸の操舵性を確認した(発表1件).また,実測データを用いる評価の実施を鑑み,アレイ装置(治具)の製作を進めた. 発音系に係る関連研究の進捗により,本収音技術へ適用可能な逆フィルタ処理方法が考案された(H25年度日本音響学会春季研究発表会,2-10-10). 雑音抑圧性能の更なる改善が見込まれる. (2) 音声信号回復処理 上記収音方法における音声劣化の主要因は加法性雑音であること,及び人的リソース不足を鑑み,変調周波数数領域減算法へ(乗法性雑音である)残響歪処理を追加することは取り止めた.該減算方法の加法性雑音低減への有効性は前年度に確認している.次年度に予定している上記技術との統合には差し支えないと判断した. (3) 音声強調信号処理 前年度に抽出した音声の明瞭度に係る音響特徴(声の高さの変動幅,3kHz付近のスペクトルピーク)について,(加法性)雑音環境下で発声した際の変化傾向を分析調査した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
講演音声の高品質アーカイブ化に資する遠隔音声収録システムに係る3要素技術に係る検討を進め,H23-24年度の間に,個々の有効性を確認した.ほぼ当初予定とおり,これら要素技術を統合する段階へ達したものと判断している.
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今後の研究の推進方策 |
過去2カ年間で検討した3要素技術を統合し,音声収録システム技術としての有用性を評価する.
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次年度の研究費の使用計画 |
主に,上記統合システム技術の評価(謝礼)や技術発表経費(発表会参加費・交通費)に使用する.
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