研究課題/領域番号 |
23500214
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原 健二 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (50380712)
|
研究分担者 |
浦濱 喜一 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (10150492)
井上 光平 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 助教 (70325570)
|
キーワード | shape-from-shading / Oren-Nayarモデル / 最大最小照度比 / 拡散反射特性 |
研究概要 |
Lambertianモデルは,拡散反射を簡潔に表現するモデルで,CGやコンピュータビジョンの様々な手法において標準的に用いられている.しかし,実際の拡散反射はLambertianモデルに厳密には従わないことが指摘されている.したがって,Lambertianモデルよりも実測に近い拡散反射モデルを用いることにより,上述の各種手法の性能向上が期待できる.この既存手法は,実測により忠実なOren-Nayarモデルを用いて,通常のShape-from-Shading手法でより高精度に表面法線を復元するための輝度補正を行うものである.この手法では,物体表面におけるOren-Nayarモデルの反射パラメータの値が既知という条件が要求される.しかし,現実の問題では,この条件を満たしているケースは少ない. 本年度は,一枚の拡散反射画像を入力として与えて,通常のLambertianモデルに基づくShape-from-Shading手法でより高精度に表面法線を復元するための輝度補正とOren-Nayarモデルの反射パラメータの推定を同時に行う手法を提案した.本手法の基本的なアイデアは,画像が有界信号であることを考慮し,Oren-Nayarモデルに基づき,拡散反射画像の画素値の最大値と最小値の比率の挙動を調べることである.このとき,ある仮定の下で,上記の最大最小比がOren-Nayarモデルの表面粗さパラメータの単調減少関数で近似できることが示される.この性質を用いた反射パラメータと表面法線の同時推定は,反復計算を必要とせず,高速である.合成画像と実際の反射率を用いた画像を用いた実験により,本手法の有効性を示した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の目標のひとつであるOren-Nayarモデルの反射パラメータ推定を伴う表面法線推定手法の定式化と実反射率データを用いた実験についてはほぼ完了しているものの,実幾何形状データを用いた実験については未着手であるため.
|
今後の研究の推進方策 |
(1) 複数枚画像からの表面法線と拡散反射特性推定手法(昨年度開発),(2) 一枚画像からの表面法線と拡散反射特性推定手法(今年度開発),の各々について,実幾何形状データと実反射率データを用いた実験を行い,各手法の性能評価を行う予定である.
|