自由視点TVの実現とその利用技術を開発した.この利用の技術の典型は,3次元の環境をいかに計算機上に表現するかということである.本研究では,3D画像間でのfull voxel matching による,3D 画像の registration が可能となり,3D TV で取られた各時刻の3D image をつなげることで,3次元の広い空間領域を構成する基幹技術ができたことになる.この技術は言い換えると,3D 画像のモザイキングを行うことを意味し,広域の3D画像世界で,いま作成された3D 画像がどのように当てはまるかを自動的に行うものである.これを実現したものが,3次元連続DPのアルゴリズムである.3次元連続DPは,2つの3次元画像間で対応している部分を自動的に見出すものであり,その対応している部分を接着部分として,3次元画像を拡張していくことで,広域の3次元世界が構成できる. 一方,カメラの画像から3次元画像を復元するには,カメラの位置パラメータを自動的に計算するか,外部から計測することによって与えてやらねばならない.内部における計算や外部からの計算では特に,時々刻々とカメラが移動する場合は,その計算や計測には正確さが失われるといえる.そこで,移動するカメラの動画像のみからカメラパラメータを自動的に計算することができれば優位である.これを実現するものとして,時空間連続DPという手法が有効である.これは,カメラの動きをカメラがとられる外界の動きから抽出することができる手法である.これのアルゴリズムは開発したが,それによるカメラパラメータの抽出の評価については当該の研究期間では十分になされていない.今後の課題であるといえる.
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