研究課題/領域番号 |
23500222
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
何 立風 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (80305515)
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研究分担者 |
巣 宇燕 名古屋産業大学, 環境情報学部, 教授 (60367860)
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キーワード | バータン認識 / ロボットビジョン / 画像処理 / 国際研究者交流 中国 |
研究概要 |
ラベル付けアルゴリズムの効率を上げるために、対象物画素を処理するとき、できるだけ隣接画素のチェック回数を減らしたほうがよい。従来の手法では、画像を一行ずつを処理して、注目行の対象物画素とその上の行の対象物画素との連結性を解決する。我々は、画像を4行ずつ処理する手法を提案した。まず、2、6、10...の順に画像の行を処理する。各注目行に対して対象物画素とその上の行の対象物画素およびその下の行の対象物との連結性を解決する。そして、残りの行、つまり、4、8、12...の行を処理し、各行に対して対象物画素とその上下の行の対象物画素との連結性を解決する。これによって、ラベル付けのための隣接画素をチェックする回数が減少できたことによって、ラベル付けの効率化が実現した。関連成果の論文は、電子情報通信の英文版に発表した。 ラベル付けは2値画像に連結成分の数を調べることができるが、オイラー数を調べることができない。2値画像のオイラー数は画像中の連結成分の数と連結成分中の孔の数の差で定義され、2値画像の重要な幾何性質の一つである。従来では、連結成分のラベル付けとオイラー数の計算が別々な処理で行っているが、我々は、連結成分のラベル付けを連結成分と孔のラベル付けを同時に行えるように拡張し、連結成分のラベル付けとオイラー数計算の処理を同時にできるように実現した。関連成果の論文は、英文誌Journal of Computer Science and Technologyに発表した。 また、我々は提案したラベル付けアルゴリズムを胸部レントゲン画像から病理変化がある部分を検出する処理にも応用した。関連成果の論文は、英文誌Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informaticsに発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しいラベル付けのアルゴリズムを提案した。また、ラベル付け手法を画像処理の分野においては、初めてオイラー数計算に拡張して、連結成分と孔のラベル付けおよびオイラー数の計算を同時に実現できる手法を提案した。さらに、ラベル付けの応用研究も行った。 しかし、提案したラベル付けアルゴリズムの並列化に関する研究は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在のラベル付け処理には、まだ無駄な画素処理を行っているところがあり、それをなくして、より効率な新しいラベル付けアルゴリズムを提案する。 また、関連のオイラー数計算もさらに改善できるところがあり、それを実現し、より効率なオイラー数計算アルゴリズムを提案したい。 さらに、共同研究を強化し、提案したラベル付けアルゴリズムの並列化処理やハードウェアの実装に関する研究を推進して行きたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
共同研究のため、国際旅費は最初の計画よりかかる。また、論文発表のため、英文添削や掲載料に使う。
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