本研究では、2値画像ラベル付け処理の高速化を目的とした。2値画像中のそれぞれの対象物(連結成分)に別々のラベルを付けるラベル付け処理は,それぞれの対象物の特徴(面積、円け形度、周囲長、重心)などを取得するための前提であり、コンピュータに対象物を認識させる上で欠くことができなく、画像認識、コンピュータビジョンなど領域において最も重要な処理の1つである。また、すべての画素間の連結関係の解析が必要であるため,エッジ検出やノイズ平滑化など局所領域のみで行える他の基本的画像処理手法と比べて演算時間が長く,並列化しにくいため,これらを組み合わせて構成されるロボットビジョンなどのリアルタイム画像認識システムにおいて,そのリアルタイムの実現を妨げるボトルネック問題となっている.本研究は、同等ラベル解析に基づくラベル付け処理手法を分析し、カレント画素の処理でえられた情報を次の画素処理に活用することによって、世界一速いラベル付けアルゴリズムを提案した。研究成果は画像処理分野において世界トップの学術論文誌IEEE Transactions on Image Processingに発表した。また、ラベル付けと深く関連しているオイラー数計算問題においても、既存手法より効率的である手法を提案した。関連の研究成果をIEICE TRANS. INF. & SYSTに発表した。
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