研究課題
本研究は,独立成分分析を利用して肥育牛の超音波画像から脂肪交雑値を高精度に推定することを目指している.脂肪交雑値は,12段階のBMS: Beef Marbling Standardを使って評価される.これまでに,本技術を実証するために4段階の処理からなるアルゴリズムを構築し,人工的なサンプルデータや実データを使った検証を行ってきた.その結果,提案手法において比較的高い推定精度が得られることや,従来の典型手法である主成分分析に比べて,高い精度が得られることを明らかにすることができた.本年度は,専門技術者による判読結果と本手法による結果について,比較実験を行った.103頭の供試牛から得られた超音波画像に対して推定を試みた結果,推定値と実測値の間に両手法ともにR=0.7の相関が確認され,互いの精度に大きな差異がないことが確認された.また両者の推定誤差の傾向において,僅かながら有意な相関があることを確認できた.さらに,ニューラルネット効果について検証するために,重回帰モデルとの比較を実施したところ,重回帰モデルでは,R=0.62の相関しか得ることができず,本手法の有効性を確認することができた.なお,超音波画像と同時に蓄積した,生体電気インピーダンス値についても,BMSとの相関を確認することができた.超音波画像と生体電気インピーダンスによる推定を組み合わせることで,より高精度な結果が得られる可能性を示すことができた.
すべて 2013
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Proceedings of the IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics
巻: 1 ページ: 1622-1627