研究課題/領域番号 |
23500246
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
大森 隆司 玉川大学, 工学部, 教授 (50143384)
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研究分担者 |
岡田 浩之 玉川大学, 工学部, 教授 (10349326)
長井 隆行 電気通信大学, 情報理工学研究科, 准教授 (40303010)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 機能部品組み合わせ / モジュール化 / 確率探索 |
研究概要 |
ロボット動作の環境変動に応じた即応的な変更を実現するため,多くの機能をタスクごとに組み合わせ,さらに同じタスクで対象ごとに使う領野を動的に切り替えている,機能部品組み合わせ(FPC)モデルの実現を試みる. FPCモデルでは,脳は環境の部分状況を認識して機能モジュールの利用確率を変化させ,必要な処理をその場で探索する.本研究ではプログラムの動的適応モデルとして,(1)環境の階層的認識,(2)途中階層の部分特徴検出からその特徴に対応した適切な機能モジュールを選択し,(3)過去の事例経験で有効に機能したタスク処理プログラムに動的に組み込む,「行動プログラムの知覚駆動の動作適応システム」の構築を目指す.平成23年度は,ロボットはRoboCup世界大会@home部門で使用する機体の動作プログラムに以下の改良を行なった.1.機能モジュール化の徹底 :ロボットの要素機能をモジュール化し,全体動作はそのモジュール群の協調動作として行われるよう,ロボットシステムのソフトウェアを改造した.現有ロボットはすでにある程度はそうなっているが,モジュールの組合せ探索で新動作を作り出せる程度にまでそれを徹底し,コアプログラムの一部モジュールを変数化して適応能力を実現した.2.環境の階層的な状況識別機能の組み込み :環境地図構築,物体認識,顔識別,表情からの笑顔度・男女・年齢の推定,などの多モダリティで,局所的な特徴の階層的な組み合わせによる状況検出機構を構築する.途中段階で得られる環境の部分状況の認識と,その状況で多く使われる動作モジュールの間の共起確率を,多様なタスクでの動作を通して獲得した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
震災後の計画停電,交通障害,さらに夏の節電などで活動時間が制限され,ロボットプログラムのモジュール化の作業が遅れた.また,その影響でロボカップ世界大会にて予選までしか参加できず,十分なタスクの事例に参加することができず,モジュールの利用頻度データの取得ができなかった.しかし平成23年度末の段階では,モジュール構築は回復しており,やや遅れていると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
2012年のロボカップ世界大会に参加して,多様なタスクについてのモジュールの動作を確認する.また実験室のフィールド内の多くの事物について認識プログラムを用意し,個々のタスクの実行プログラムを機能モジュール群の組み合わせとして制作し,その実行中に環境の部分状況の認識出力と各モジュールの使用状況を合わせて蓄積する.その作業を,タスクのゆらぎを発生させては機能部品を入れ替えての実行を繰り返し,環境の部分状況の認識と機能モジュール群使用の統計情報を獲得する.平成23年度からの繰り越し金はモジュールを動作させるロボット部品の購入に使用する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画通り、多くの経費をロボカップ世界大会への参加費として使用する.
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