研究課題/領域番号 |
23500246
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
大森 隆司 玉川大学, 工学部, 教授 (50143384)
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研究分担者 |
岡田 浩之 玉川大学, 工学部, 教授 (10349326)
長井 隆行 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (40303010)
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キーワード | タスク処理の探索 / 機能部品 / 組み合わせ探索 / 遠隔操作 |
研究概要 |
昨年度,マルチタスクに対応した身体システムとそれのシステムを構築した.その結果,タスクに応じて身体的・ソフト的に要素機能を組み合わせやすいロボットシステムの構築を行った.次の課題は,このシステムを用いての環境と行動決定の処理に関わる機能部品との関係の確率的表現の獲得である. 本研究では,行動決定に関わる多数の機能部品について,環境の状況に依存した初期確率分布を与え,確率探索を行った.そこでの課題は,環境状況と確率分布の間のマッピングである.我々のモデルでは,環境中のイベントに対応して機能部品ごとの利用確率が定まり,イベントの組み合わせにより部品群全体の確率分布が定まる.ところが機能部品ごとの利用確率を求めるには,多数のタスクによる学習が必要である.すなわち,多数のタスクを多様な環境で安定的に実施する方式が必要である.そこで本研究では今年度,多数のタスク実施の手段としてロボットを遠隔操作するシステムを開発した. 本システムでは,タスクをよく知る操作者が遠隔地からロボットを操作し,そのタスク場面での行動決定を行っていく.その過程で,ロボットの操縦操作に加え,タスク場面の状況など,行動決定に関わる多くの情報を収集し,事後の分析を可能とする.タスクは,子どもとの遊びや家庭でのサービスなど,人を相手にするサービス場面とした.その結果,保育士が操作するロボットが子どもと一対一で遊ぶ実験を,39人という多数の被験者にて実施できた. 残念ながら本研究はタスク変動に対応する自律的な処理探索までは到達できなかった.しかしその実現にむけて必要なシステムのプロトタイプは作成でき,実際の遊び実験で使うことができた.今後の課題として,多数のタスク処理のプログラムの振舞を観察し,タスク処理の動的探索につながるシステムアーキテクチャの実現を目指す.
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