研究課題/領域番号 |
23500248
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
李 周浩 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (80366434)
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キーワード | 人間中心型情報提示システム / 行動モデル / 移動予測 / 最適立ち位置 |
研究概要 |
本研究では人の視線の先の環境上に情報を投影することで人が情報源を探したり、情報源へ身を動かしたりすることなく、また、人が特別な装置を持ったり、身に付けたりしなくても情報を得ることの可能な人間中心型情報提示システム(Ubiquitous Display, UD)を実現するために、人の動きと環境の変化に対してロボットがどのような振る舞いをするべきであるかを明らかにすることが研究目的である。 本研究は3年間の計画で行う予定であり、1年目は主に人と情報とUDの関係を定式化しその最適解を模索することとUDが投影する情報を定量的に評価することに専念し、2年目と3年目は1年目の結果を拡張して動的環境におけるUDの振る舞いについての研究を行うこととなっている。現在2年目までの研究が計画通り進行されており、UDの振舞いモデルが定式化されそれによりコンピュータシミュレーションが終わっている。 具体的には以下のとおりである。大型公共施設においてUDが情報提示を行うというシナリオを基に行動モデルの構築を行う研究を行った。UDが公共施設にて広告活動を目的としたサービスを提供するためには、サービスを提供する状況を想定した上で、より目的に沿った行動モデルを構築する必要がある。そこで、UDの活動を明確化し、状況に合わせて行動を選択するモデルを構築・追加した。さらにより人に対し効果的にかつ安定した情報提示を実現するため、人の移動予測に基づいた最適立ち位置・投影位置決定とFriendly Patrollingに基づく接近手法を導入し、これらを統合した新たな行動モデルを設計した。そして,提案行動モデルの有効性についてシミュレータ実験を通し検証した。結果からショッピングモールを想定した環境において移動している人への安定した情報提示が実現でき、提案モデルの有効性を示すと共に今後の課題を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初目標にしているものが計画通りに概ね進展できているため.
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今後の研究の推進方策 |
コンピュータシミュレーション実験を通して提案手法の有効性の確認は出来たものの、実現可能か、実用的なのかの検証ができていない.今後はハードウェアを更新した新しいUDにこれまで開発して来た行動モデルを実装し評価実験を行う予定である。 シミュレーション実験と違って、実環境だとパラメータチューニングなど主なアルゴリズム以外の部分も行わないといけないため開発したアルゴリズムを実機のUDに実装しつつ、実環境に合わせてパラメータをチューニングし、実際に人が行き交う環境下で評価実験を実施して提案手法の有効性を確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果を学術講演会にて報告するための出張費用、研究成果を載せた論文を出版するための費用,実験に協力する学生等に支払う謝金などに使用する予定である。また、研究に必要な消耗品の購入などに使用する。
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