研究の目的:人と情報、その情報を投影するロボットが共存するために必要なロボットの行動モデルを解明する。本研究では人の視線の先の環境上に情報を投影することで人が情報源を探したり、情報源へ身を動かしたりすることなく、また、特別な装置を持ったり、身に付けたりしなくても情報を得ることの可能な人間中心型情報提示システムを実現するために、人の動きと環境の変化に対してロボットがどのような振る舞いをするべきであるかを明らかにすることを目標とした。 以上の目標に対して本研究期間中に、人間中心型情報提示システムの振る舞いモデルをデザインし、シミュレーションと新しく開発した情報投影ロボットユビキタスディスプレイ2.0をを用いてロボットの振る舞いモデルの検証を行った。特に人間中心型情報提示システムの活用が望まれる大型施設を想定してサービスごとの行動モデルとサービスにおける行動モデルに分けた階層的振る舞いモデルを開発した。目標にした動的な環境におけるロボットの振る舞いについて概ね目標が達成できたといえる。 研究実施計画:本研究は3年間の計画で行った。1年目は主に人と情報とUDの関係を定式化しその最適解を模索することとUDが投影する情報を定量的に評価することに専念し、2年目と3年目は1年目の結果を拡張して動的環境におけるUDの振る舞いについての研究を行った。 この研究実施計画に対して、1年目に人と情報とUDの関係を定式化を行い、学会などにその成果を報告した。2年目以降は新しいUDであるユビキタスディスプレイ2.0を開発して実証実験を行った。動的な環境として大型商業施設を想定したが、実際の環境での実験までにはいたらず、大学内の空間を用いて動的な環境を儲け実験を行った。概ね研究実施計画とおりに研究を実施することができた。
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