研究概要 |
昨年度に構築した把持・操作計測システムを用いて、人の手指による把持・操作データを計測し、そのデータを可視化するシステムを構築した。把持・操作データの可視化は choreonoid 上に実装し、各指先に作用する指先力の時系列データと、グラフィクスでの指の運動とその軌跡・力ベクトルを、それぞれ同期をさせて、タイムバーを操作しながら表示できるようにした。 人の手指による一連の把持・操作を機能単位のプリミティブ動作に分割するためには、まずプリミティブ動作のコードブックを作成する必要がある。そのため指の機能を「把持」「操作」「センシング」に大別し、把持に関するプリミティブ動作として support, press, grasp を、操作に関するプリミティブ動作としてdrag, raise, roll, twistを定義した。更にgraspに関してはCutkoskyの把持分類にのっとりprecision graspを対象に細分化した。この中で、Cutkoskyによる把持分類のdisk, sphere, tripod, thumb-3finger, thumb-2finger, thumb-index finger と、比較のために二つのプリミティブ動作の協調から成るpivotについて実演データの計測を行った。仮想指を導入するとdisk, sphere, tripodは三本指把持の circular precisionに、thumb-3finger, thumb-2finger, thumb-index fingerは二本指把持のprismatic precisionに分類される。そこで、把持内力の情報を用いて把持データを circular precision, prismatic precision, pivotにクラスタリングすることを検討した。
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