本研究は,視聴覚音声通信において,音韻・感性情報の伝送に必要となる物理パラメータの抽出,定量化を進め,音韻情報と感性情報をより高精度,高品位に伝えることのできる高感性コミュニケーションシステムの構築を目指すものである。 これまでに,話者映像と音声の印象の一致度,調和度といった感性情報が音韻知覚に影響を及ぼすこと,さらに,その音韻情報の伝達において唇の内側の動きが極めて大きく寄与することが明らかとなった。これらの結果から,口唇付近の映像を中心に,話者の印象が正しく伝わるように映像を提示することで,話者の伝えたい情報を正しく伝える視聴覚音声コミュニケーションシステムが実現されると考えている。
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