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2011 年度 実施状況報告書

正倉院御物のベクター画像データベース作成と日本人心理に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 23500259
研究機関奈良女子大学

研究代表者

藤野 千代  奈良女子大学, 社会連携センター, 特任教授 (20403321)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード天平文様
研究概要

本研究では、正倉院(東大寺境内、宮内庁管轄)に保管されこれまで宮内庁から写真公開されている御物に描かれている文様をベクター画像化し、色調変換、部分画像抽出、幾何学的配置変換などを可能とし、そのデザインについての嗜好性を、改良された階層化意思決定AHP法を用いて明白にすることで工学的なデザイン指針データを得ることを全体目標としている。 平成23年度は(1)新規に48点の文様をベクター画像化した。これによって所有するベクター画像データベース数は90点となった。この作業は平成23年11月7日に約5分映像としてNHK奈良エリア、翌8日にNHK西日本エリアで放映され、反響が大きかったことから12日にはNHK全国放送された。一般視聴者からも「天平時代の文様が鮮やかな現代の色に染められる様に感動した。」「出版されていないのか」といった声が寄せられ、本研究で狙っている『デザインをベースとして色相やパターン配置が嗜好性に及ぼす影響』についての方向性に間違いはないと確信した。さらに、本来の予定では平成26年度に作成する予定であったHPについても、一般の方からの声に応える形で、(2)ベクター画像化が終了したデザインを画を公開するサイトを作成した。「奈良県繊維産業をこのデザインで復興させたい。」「外国向け商品としてこのデザインを使いたい。」といった反響もあり、純粋な研究に並行して企業共同研究を平成23年度に新規6課題を締結するにいたったことは、デザイン界にも一石を投じる研究であるといえる。(1)主要なものとして、北倉013-紅牙撥鏤尺甲、南倉165-幢幡鉸具第20号金銅円形虎裁文、中倉157-粉地彩絵箱第33号、中倉143-蜜陀彩絵忍冬鳳文小櫃第15号 など。(2)http://www.nara-wu.ac.jp/liaison/product/old_design.html

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

(1)平成23年度計画として、「正倉院御物に描かれた文様のベクター画像化 新規に30点」としているが、48点でのベクター画像化を修了した。(2)平成26年度計画として挙げていたHP作成についても現時点のデータベースを公開する形で作成した。この公開HPの波及効果として、原稿執筆依頼2件、講演依頼1件(大学技術移転協会)、企業からの利用依頼7社、ジャパンブランドとして経済産業省の事業申請を行う中核技術としたいというオファー1件、『よみがえる天平文様』という表題で出版したいというブックデザイナーからのオファー1件など、一般利用への広がりを見せ始めている。

今後の研究の推進方策

研究計画どおり全150点のデータベース作成のために、ベクター画像化作業を継続する。さらに次年度からは色彩嗜好性のアンケート調査のために、デザインの嗜好性調査のための感性評価支援システムを完成させる。研究計画に対して順調に推進されているが、世界の動きや一般の方の声からも早期に明らかにしたい課題であり、これまで通り研究速度をあげて進める。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は・正倉院関連図書として、染色や織法といった観点で図解されているものを購入することで、これまで不鮮明であった細部のデザインを明確に電子化する。・パソコンおよびアドビ社のイラストレータとフォトショップを含んだクリエイティブパッケージを購入することで作業時間の効率化を図る。・平成25年に心理アンケート調査を予定しているが、それのプレ調査のために20人程度の規模で予備アンケートを実施する(このために事務用品代、印画紙代、謝礼に変えての本研究者作成オリジナルデザインのしおり作成代を計上している。)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 古の都で産学官が取り組む地域活性化プロジェクト2012

    • 著者名/発表者名
      藤野千代
    • 雑誌名

      JAGAT info

      巻: 485 ページ: 48-49

  • [備考]

    • URL

      http://www.nara-wu.ac.jp/liaison/product/old_design.html

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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