特にインタラクティブな映像作品制作を想定した効果的な音響デザインの指針を得るために、物理的な「正しさ」よりも聴感上の効果の面から、要素となる音を組み合わせることで狙い通りの効果をもつ雰囲気音(後景となる音)が合成できるか、また、後景となる音や前景となる音がそれぞれその時々の情動状態や他の前景情報の理解にどのような影響を与えるかを検討した。その結果、前者については要素の単なる加算を超えた何らかの直接的な音響的特徴による表現が必要なこと、後者については音がその時々の情動状態や前景となる情報に確かに影響を与え、またその与え方には一定の傾向があることが見いだされた。
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