研究課題/領域番号 |
23500270
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
秋山 英三 筑波大学, システム情報系, 教授 (40317300)
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キーワード | リーダーシップ / 進化ゲーム / 進化 / ゲーム理論 / エージェント・ベースド・シミュレーション |
研究概要 |
本研究では、リーダーシップを、調整問題(コーディネーション問題)に対処するため文化的・遺伝的に進化したものとする立場に立ち、戦略の進化という観点からリーダーシップの進化のメカニズムを解明することを目指す。具体的には各集団内の構成員間でゲームが繰り返される状況を基本的な社会的環境とし、集団内相互作用の「ゲーム構造」が、集団間の競争の形態がリーダーシップの進化に与える影響について分析し、その過程で、リーダーシップの進化を促進する個人特性・行動様式(戦略)の分析を行う。 本年度は、複数集団のモデルの構築と分析を進めるとともに、前年度までの成果を査読付き論文誌(Akiyama SICE 2013)に掲載した。その中では、リーダー、フォロワーの適応度に相互依存性があることに着目し、そのコンフリクトと協調関係を実装した進化形を計算機アルゴリズムとして実装したシミュレーションを行い、最終的な社会構造がどうなるかを明らかにした。特に、階層構造が現れるメカニズムとその条件の頑健性を検証した。また、適応的なプレーヤーの行動規範の発生についての基礎的分析の研究成果をAkiyama et al. Game Theory Relaunched 2013 にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数集団のモデルの構築と分析を進めるとともに、集団調整に効果的なリーダーの行動様式等を、リーダー・フォロワーの利益の相互依存関係を勘案したゲーム構造から明確に議論をすることを可能にし、その成果を前年度までの成果を査読付き論文誌に掲載した。
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今後の研究の推進方策 |
所属集団変更の可能性に起因する多レベル淘汰機構が、リーダーシップ進化にあたえる影響を分析する。具体的には、毎世代新しい集団が作られるとする Williams が提案したタイプの集団組み換えと、ある種の集団構造が複数世代続くとしたMaynard-Smith のHaystackモデルの二つの集団組み換え方法を用いた、これまでのフォーミュレーションをより精緻化・統合することを目指す。統合されたモデルに関して、これまでと同様、プレーヤーの行動様式に関する条件として、プレーヤーがミスをする(オートマトンに記述されたものと異なる選択をする)可能性の有無、プレーヤーの記憶能力(過去の情報をどの程度覚えているか)、情報取得能力(ゲーム状況の情報をどの程度間違えずに把握・記憶できるか)の大小の影響を、単一集団モデルの結果と比較しつつ検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果の発表のためのノートPCをリプレースのため300千円、進化シミュレーション分析を効率的に行うための計算機の周辺機器・ソフトウェア購入に300千円、学術誌への論文の投稿の際の投稿料・英文校正、研究資料購入のために100千円、成果発表の旅費のために、国外旅費300千円・国内旅費200千円を予定している。
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