研究課題
本研究では、進化計算を用いた多目的最適化問題の解法に焦点を当て、システムに多数の目的関数と膨大な設計変数を含む大規模多数目的最適化において、その解探索能力を格段に促進・向上させる新しい多目的進化アルゴリズムを開発する。23年度と24年度において次の研究項目を明らかにしました。項目1:目的空間分割アルゴリズムの並列化を検討し、大規模最適化における効果を検証しました。項目2:サブ集団毎に実行するアルゴリズムのハイブリッド化を行い、その効果を検証しました。項目3:目的空間分割アルゴリズム全体としての適応化を行いました。項目4:サブ集団ごとに実行するハイブリッドアルゴリズムの適応化を行いました。25年度において以下の研究項目を明らかにしました。項目5:目的関数の次元数削減23年度項目1「目的空間分割アルゴリズムの並列化」と24年度項目3項「目的空間分割アルゴリズム全体の適応化」の検討により、並列化したアルゴリズム全体のPOS探索性能を最大化すると同時に、アルゴリズム全体として目的関数や計算資源を適応的に制御する知見から、解探索における冗長(無駄)な部分を特定し、多数目的最適化における目的関数の次元数削減を試みました。すなわち、目的関数間の相関関係が解探索に大きな影響を与える知見を考慮し、次元数削減による多数目的最適化問題のスリム化と解探索の効率化を同時に達成することができました。項目6:実世界の大規模多数目的最適化問題への応用本研究で確立した大規模多数目的最適化問題に有効な多目的進化アルゴリズムを、実世界応用に積極的に適用することを検討しました。すなわち、衛星軌道設計問題と自動車のタイヤ設計問題に適用しました。さらに、新しい重要な研究分野として注目されるスマートグリッドと持続可能なモビリティで求められる最適化問題への適用を開始しました。
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Information Sciences, Elsevier,
巻: 268 ページ: 305-327
10.1016/j.ins.2014.02.002
進化計算学会論文誌
巻: Vol. 4 No.2 ページ: 45-56