つぎの各研究成果が得られた。 1.高次元ニューラルネットワークのための同時摂動学習則の性能評価に関して、収束率と収束速度を中心に、その性能について検討を行った。複素ニューラルネットワーク、四元数ニューラルネットワークおよび八元数ニューラルネットワークともに、バックプロパゲーション法とほぼ同等の性能を有すること分かった。 2.FPGAによる複素ニューラルネットワークの実現に関しては、同時摂動を学習法として用いた、パルス密度表現による複素ニューラルネットワークのFPGAへの実装を行った。FPGAにより試作したシステムによる実験を行った結果、2次元上の点の回転、縮小問題に対する実行結果を得た。学習機能を含めた試作システムの動作が確認できた。8つの学習点を学習させる縮小問題を提案システムで実行した結果、20000回の学習に80MHzのクロックで約346秒を要した。 3.高次元ニューラルネットワークの応用に関して、複素ニューラルネットワークと四元数ニューラルネットワークを考え、それぞれ、2次元上の移動を伴うSCARAロボットと3次元ロボットへの制御問題について実験を行った。高次元ニューラルネットワークがSCARAロボットと3次元ロボットの逆キネマティクスを学習することができることを確認した。また、汎化能力についても確認し、高次元ニューラルネットワークがロボットの制御器として用いることができることを確認した。
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