研究概要 |
これまでのセマンティックWebでは、主にRDF Schema, OWL, SKOSといったメタデータを記述するための語彙の標準化を進めてきたが、2007年より始まったLinked Dataではメタデータそのものに焦点を当てている。メタデータの相互利用性を高めるためには、その記述規則を定義したメタデータスキーマと、応用ごとに決まるメタデータ語彙の組合せを定義したアプリケーションプロファイルに関する情報が有用である。しかしながら、現在のLinked Dataにおいてメタデータスキーマに関する情報が十分に活用されているとは言えない。本研究では、Linked Dataの柔軟な運用を目的としたメタデータスキーマに関する情報の流通と発見支援環境の作成をおこなう。平成25年度は、平成24年度までに開発したシステムに基づき、以下の研究を進めた。 ・メタデータ語彙マッチングシステムの改善 ・システムの評価 平成24年度までに国立国会図書館件名標目表とDBpediaをハブとして利用したメタデータ語彙マッチングシステムの作成と試験的な運用をおこなって来た。平成25年度は、マッチングの精度向上を目指し、Linked Open Data として公開されているメタデータインスタンスを利用したシステムの改善を行った。具体的には、メタデータの記述に用いる語(プロパティとクラス)とメタデータとして実際に記述されている値の関係を抽出し、メタデータスキーマ作成者の要求にあった語を提供するための改善をおこなった。また、メタデータスキーマ作成支援の一環として、メタデータインスタンスの利用した DCMI Description Set Profile 形式に基づく Application Profile の自動抽出システムの開発をおこなった。
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