研究課題/領域番号 |
23500304
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
山下 泰弘 山形大学, 企画部, 准教授 (40313431)
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研究分担者 |
調 麻佐志 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (00273061)
富澤 宏之 文部科学省科学技術政策研究所, 科学技術基盤調査研究室, 室長 (80344076)
林 隆之 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 評価研究部, 准教授 (30342629)
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キーワード | 科学計量学 / 科学技術イノベーション政策 / データ・情報基盤 |
研究概要 |
今年度はWeb of Scienceに基づき、主要国(日米英仏独中韓)の研究機関シソーラス整備を推進した。ただし、既存レコードの有効活用を重視し、機関の統廃合・再編への対応、重要な機関の部局別の整理については平成25年度にさらなる検討を行うこととした。 研究者データベースについては、平成23年度の成果を踏まえて引き続き整備を進め、論文引用と研究者のキャリアの相関を分析するために、引用されない論文のデータベースを構築し、高被引用論文と引用されない論文について比較分析を行った。成果については研究・技術計画学会で発表するとともに及び国際会議ISSI2013に投稿し、受理された。また、成長が著しい「鳥インフルエンザ」研究領域の形成過程を分析するため、当該領域の研究者の論文データベースの構築を進めた。 指標の検討については、ファンディングエージェンシーや大学で求められる指標として、(1)「政策のための科学」を進める上で求められるデータ・情報基盤の検討、(2)神経科学分野を対象としたコンセプトマップの施策とその政策的インプリケーションの検討、(3)日本の論文生産減少の説明要因の検討、(4)研究評価における社会・経済・文化面へのインパクト指標の分析、(5)論文に記載される日本のファンディング情報の整理と検討を行った。さらにイノベーションとの連接に必要とされる指標として、(6)米国特許による科学論文引用について、論文と特許のマッチング手法を開発するとともに、検証用データを作成し、それに基づく精度の検証を行った。さらに、検証用データに基づいて、米国特許による科学論文引用の性質について分析を進めた。上記のうち(5)を除く成果については、研究・技術計画学会及び国際会議STI2012において発表を行った。さらに、(6)については国際会議ISSI2013で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究者データベース、指標の検討については、順調に進捗しており、研究者の国際移動の特性についての知見を得るとともに、国・ファンディングエージェンシー・大学など多様なステークホルダーの視点からの評価指標の検討を行い、学会発表を行った。特に、科学論文と特許のマッチングにおいて独立した2つの方法でともに高い精度でマッチングを達成している。研究機関シソーラスの整備についても、主要7カ国について整備を進めており、平成25年度中にそれを活用して外部発表を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
プロジェクト最終年度の平成25年度は、(1)研究機関シソーラスを完成させ、それと並行して(2)これまで開発を進めてきた指標のブラッシュアップを行う。その上で、試行的評価を実施する。また、(3)研究者データベースに基づき、新たな視点からの分析を試みる。 上記の成果については、国内外の学会等での外部発表を行う他、山形大学及び東京工業大学でワークショップを開催し、知見の共有やニーズの抽出を図る。 シソーラスの外部提供については、Web of Scienceの契約上の制約があるが、その中で可能な提供方法を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は本課題の最終年に当たり、指標のブラッシュアップのためのデータの追加整備、外部発表に係る旅費、本課題に係るワークショップ開催経費として使用する。
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