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2011 年度 実施状況報告書

実名開示型多世代SNSにおけるコミュニティ活性化要件と世代間特性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23500305
研究機関千葉大学

研究代表者

檜垣 泰彦  千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30173131)

研究分担者 大塚 成男  千葉大学, 法経学部, 教授 (20213770)
桜井 貴文  千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60183373)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードSNS / 機能連携 / オンライン名簿 / 同窓会活動
研究概要

本研究は,SNS(Curio) を研究対象および実験手段として活用して,ネットワーク上に多世代にわたるメンバーを含むコミュニティを構築し,その活性化を図るうえで有用な指針を明らかにすることを目的としている。それを達成するため,平成23年度は,管理・運営体制を再構築するとともに,研究を実施するうえでの基礎的なデータを収集し機能を拡充することを計画した。 平成23年度は基本設計,基礎的データの収集,一部の機能拡充・カスタマイズの実施を行った。 基礎的データ収集の一環として,これまでの利用状況の分析を行った。実際の利用状況を表すページビュー数とユニークユーザー数の推移を調査したところ,運用開始後1年間は多くの利用があったがその後は10,000程度を維持していた状態が続き,最近は5,000を切る月も出てきている。Curioはその目的からも日常的に頻繁にアクセスするタイプのシステムではないといえるが,ある程度のアクセスは必要である。これを改善するため,コンテンツ充実の一環として,月に一度,「四方山話」や「写真館」の紹介という形でユーザにメッセージの送信を行ない,効果を確認した。 機能拡充の一環として,同窓会名簿機能,他システムとの連携機能の開発サーバへの実装を行った。同窓会名簿機能は,これまで各同窓会が管理してきた卒業生のリストをオンライン化したものである。所属と氏名の一覧が基本であり,住所や電話番号は扱わず,連絡の取れる関連情報へのリンクのみとする。RSSを利用して予め登録した自分のBlogから記事の概要を取り込む機能は予め備わっている。これに加え,twitterやfacebookに書き込んだ内容を各ユーザのHOMEに掲載できる連携機能が必要であると考えており。平成23年度はfacebookとの連携機能を実装した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では平成23年度にさらに多くの機能拡充・カスタマイズが実施できる予定であったが,実際に行えたのは同窓会名簿機能とfacebook連携機能の実装のみであった。計画している機能拡充の中ではこれらが最も重要であると考えたため,これらから着手したが,実際の名簿の構造は当初の想像よりも複雑であり,その設計・実装に予定よりも多くの時間を要したことが遅れた理由である。

今後の研究の推進方策

引き続き,機能拡充・カスタマイズを実施する。その後,実施した機能拡張を踏まえて,具体的な情報収集を目的とする以下の3つの研究活動を実施する。(1)Curioにおける交流実験;Curioの中で活動している複数のグループに協力を求め,参加者のビヘイビアに関するデータを得るための実験的なイベントを開催する。また,同様のイベントをCurioの外でも実施し,対比のためのデータを得る。(2)Curioの継続的な機能強化とコンテンツの充実;データ収集を目的とした実験等を実施するうえでCurioが有効な情報交換の手段となるよう,平成23年度に引き続いてカスタマイズを行い,機能の強化を図る。また,Curioを通じたデータの収集には多数の会員の参加が必要であるため,会員の募集・勧誘に資するよう,コンテンツを充実させる。(3)千葉大学卒業生を対象としたアンケート調査の実施;Curioにおける活動と対比する実社会のコミュニティに関するデータを得るため,Curioの会員になっていない千葉大学卒業生を対象として人的ネットワーク構築に関するアンケート調査を実施する。あわせて,SNSを通じたコミュニティ活動に対する世代ごとの意識調査を行う。(平成25年度)平成23年度と平成24年度の研究活動で得られたコミュニティ活動とネットワークの形成に関するデータの分析・検討を行い,インターネット上のコミュニティを活性するための方策を具体的に提示し,コミュニティ活性化のためのガイドラインをとりまとめる。そして,Curioの活動状況を平成23 年度以前と対比することで,研究成果としての指針の有効性についての検証を行う。さらに,本研究の成果であるCurioの中でのコミュニティの活動状況と,それらの活動を活性化するための方策・ガイドラインを報告書としてとりまとめ,Curioや千葉大学のサイトを通じた電子出版の形式で発表する。

次年度の研究費の使用計画

機能拡充・カスタマイズが予定より遅れているため,平成24年度はこれらを引き続き実施する。具体的には,同窓会専用スペースの実現,登録申請のオンライン化と処理管理機能実装である。これらを開発環境で評価した後,運用環境に写し実際の利用者により評価を行う。 同窓会専用スペースの実現について,現在のCurioの「所属同窓会」は自己申告であり,これを認証用に使うことはできない。また,各コミュニティはコミュニティ参加者のみにアクセスを制限可能であるが,この機能を使って制限をかけるには,コミュニティ参加時に何らかの方法で所属同窓会の確認が必要になる。厳密に同窓会専用スペースを設けるためには,会員属性として,同窓会の会員であることを明示する属性の追加が必要となる。この属性の追加を行う。その属性情報をもとに,同窓会専用スペースへのアクセスを許可する。同窓会専用スペースや会員属性の仕様については,会報の掲載など共通性の高いものもあるが,活動内容に違いにより,個別カスタマイズが必要な可能性がある。 厳密な所属同窓会の確認を行うためにも,登録申請のオンライン化と処理管理機能の実装が必要である。現状と同じ処理の流れで,現在よりも効率よく処理でき,要望の多いオンライン受付を実現するため,Webベースの受付ページと管理システムの導入を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 千葉大学校友会SNS「Curio」の現状と今後の計画2012

    • 著者名/発表者名
      檜垣泰彦,桜井貴文,虎岩雅明,遠藤啓介,大塚成男
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: Vol.111, No.470 ページ: pp.135-140

  • [学会発表] 千葉大学校友会SNS「Curio」の現状と今後の計画2012

    • 著者名/発表者名
      檜垣泰彦,桜井貴文,虎岩雅明,遠藤啓介,大塚成男
    • 学会等名
      ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会
    • 発表場所
      名桜大学
    • 年月日
      2012年3月4日

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公開日: 2013-07-10  

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