研究課題/領域番号 |
23500308
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
諏訪 博彦 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 助教 (70447580)
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研究分担者 |
山本 仁志 立正大学, 経営学部, 准教授 (70328574)
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | SNS / 導入効果 / 活性化メカニズム / 知識伝承 / ソーシャルメディア |
研究概要 |
本研究は、SNS導入効果に関して活性化メカニズムを明らかにし、有効なSNS運営を可能にするための支援ツールを構築することを目的としている。第一段階として、ユーザへの質問紙調査を行うことで、どのような動機や目的でSNSを利用し、その結果どのような成果をえているか明らかにする。また、コミュニケーションログを用いたユーザ行動の分析に基づき、SNSの活性化要因を抽出する。さらに、得られた知見に基づき、エージェントの内部モデルを構築し、エージェントベースドシミュレーションを実施することでSNSの導入効果を得るまでのメカニズムと活性化メカニズムを明らかにする。最後にこのメカニズムを考慮した支援ツールを構築する。平成23年度は、3月11日に発生した東日本大震災に着目し、災害時における地域SNSの役割や有効性に関する調査および分析を実施している。その結果、震災の影響度合いや災害地からの距離、以前震災を経験した地域であるか否かなどによって、その使われ方に違いがあることを確認している。また、企業内SNSの導入について、従業員が何をメリットと考え、何をデメリットと考えているのかについて調査を実施している。この調査結果については、現在分析中であり、平成24年度にその成果を公表することとしている。さらに、消防隊員の経験に基づく情報や知識を蓄積し,それらの伝承を行うためのモデルとSNSシステムを構築し,同システムが経験や知識の伝承において有効であることを確認している。この知見は,SNSによる経験や知識の伝承を組織化する方法の発展に貢献するものと考える。これらの研究に加え、ソーシャルメディアの発展を考慮し、SNSだけでなくtwitterや動画共有サイトの分析や活性化手法についての検討が必要と考え、研究に着手している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は、3月11日に発生した東日本大震災に着目し、災害時における地域SNSの役割や有効性に関する調査および分析を実施し、その成果を投稿論文および学会発表にて公表している。また、組織内SNS利用については、東京消防庁を題材として、知識伝承に必要な要員を探り、プロトタイプの開発を行っている。さらに、企業内SNSの導入に関する調査も実施できており、研究目的の達成について、順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に記した通り、平成24年度は、引き続きSNSユーザのモデル化を行う(4-6月)。次に、シミュレーションの実装・解釈を行い、SNSの導入効果を得るまでのメカニズムと活性化メカニズムを明らかにする(7-12月)。研究成果を国内研究会(JAWSを想定)で発表し、フィードバックを得る(10月)。さらに、シミュレーションで得た知見に基づき有効なSNS運営を可能にするための支援ツールを構築に着手する(1-3月)。平成25年度は、引き続き支援ツールの構築を行いつつ(4-12月)、これまでの研究成果を国際会議(ESSA、SCMを想定)において発表し、社会シミュレーションや情報システムの視点からフィードバックを得る(9-10月)。また、国内会議(日本社会情報学会、消費者行動研究学会、経営情報学会を想定)において発表を行い、自治体や企業、マーケティング業務の視点からフィードバックを得る(4-9月)。最後に3年間の成果をまとめて、出版やWebなどで広く公表する(10-3月)。さらに、これらの研究に加え、ソーシャルメディアの発展を考慮し、SNSだけでなくtwitterや動画共有サイトの分析や活性化手法についての研究も実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、シミュレーションの実装を予定しており、そのための計算用サーバを購入する予定である。
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