研究課題/領域番号 |
23500308
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
諏訪 博彦 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 助教 (70447580)
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研究分担者 |
山本 仁志 立正大学, 経営学部, 准教授 (70328574)
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
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キーワード | SNS / 導入効果 / 活性化 / 知識共有 / ソーシャルメディア / セキュリティ |
研究概要 |
本研究は、SNS導入効果に関して活性化メカニズムを明らかにし、有効なSNS運営を可能にするための支援ツールを構築することを目的としている。第一段階として、ユーザへの質問紙調査を行うことで、どのような動機や目的でSNSを利用し、その結果どのような成果をえているか明らかにする。また、コミュニケーションログを用いたユーザ行動の分析に基づき、SNSの活性化要因を抽出する。さらに、得られた知見に基づき、エージェントの内部モデルを構築し、エージェントベースドシミュレーションを実施することでSNSの導入効果を得るまでのメカニズムと活性化メカニズムを明らかにする。最後にこのメカニズムを考慮した支援ツールを構築する。 平成24年度は,組織内におけるSNSに着目し,東京消防庁を対象として知識伝承のためのSNSを構築し,その有効性をプロトタイプにより確認している.また,どのようなユーザが何をメリットと考え、何をデメリットと考えているのかについて,広範な調査を実施している.その結果,20代はメリットと同時にデメリットを感じているのに対して,60代はメリットを感じるもののデメリットは感じていないことを確認している.さらに,導入の際に問題になるであろうセキュリティ行動について検討するために,調査・モデル化を行い,具体的なスキルを提示することでセキュリティに対するコスト感を低減させることが重要であることを明らかにしている. それ以外にも,SNSの活性化を支援する技術としてテキストマイニングや推薦手法,知識共有手法に着目し研究を行い,技術の蓄積を図っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は,東京消防庁において組織内SNSのプロトタイプを構築し,その評価を行っている.その成果は,情報処理学会の論文誌として公表している.また,組織内におけるSNSのメリット・デメリットについて,前年度に続き調査を実施し,分析を行っている. また,ソーシャルメディア上で,どのような条件が整った時に協調が促進されるのかを,エージェントシミュレーションによって検討している.その結果,協調に対する報酬および,協調に対する報酬を与えたことに対する報酬,すなわちメタ報酬の存在が協調を促進する効果があることを明らかにしている. さらに,関連領域と考えられるセキュリティに関する研究やマイニング技術に関する研究,災害時のインフラに関する研究などもすすめられており,順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に記した通り,平成25年度は,引き続き支援ツールの構築を行いつつ(4-12月),これまでの研究成果を国際会議(ESSA,SCMを想定)において発表し,社会シミュレーションや情報システムの視点からフィードバックを得る(4-10月)。また,国内会議(人工知能学会,社会情報学会,経営情報学会などを想定)において発表を行い,自治体や企業,マーケティング業務の視点からフィードバックを得る(4-10月)。最後に3年間の成果をまとめて,出版やWebなどで広く公表する(10-3月)。さらに,これらの研究に加え,ソーシャルメディアの発展を考慮し,SNSだけでなくtwitterや動画共有サイトの分析や活性化手法についての研究も実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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