研究課題/領域番号 |
23500310
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
北村 順生 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20334641)
|
研究分担者 |
茂木 一司 群馬大学, 教育学部, 教授 (30145445)
小川 明子 愛知淑徳大学, メディアプロデュース学部, 准教授 (00351156)
坂田 邦子 東北大学, 情報科学研究科, 講師 (90376608)
稲垣 忠 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (70364396)
崔 銀姫 佛教大学, 社会学部, 准教授 (30364277)
土屋 祐子 広島経済大学, 経済学部, 准教授 (80458942)
宮田 雅子 札幌大谷大学, 芸術学部, 講師 (20431976)
川上 隆史 広島国際大学, 心理科学部, 准教授 (00341222)
|
キーワード | 異文化理解 / メディアリテラシー / メディア実践 / 地域メディア / 交流授業 / 災害報道 / 映像アーカイブ |
研究概要 |
1. 地域イメージの再発見・再認識を目的とした地域間交流の実践的研究「ローカルの不思議」プロジェクトを、全国10地域に所在するのべ11大学・短大および4高等学校の参加により実施した。本プロジェクト実践を通じて、図書館や博物館、情報館などの地域の文化施設などと協力しながら、自らの地域文化への理解を深めると同時に、マスメディアで広く流布されている画一的でステレオタイプの影響を強く受けたものとは異なる視点から地域イメージを他地域へと伝えていくための実践的方法とその課題を明らかにした。 2. 東日本大震災をめぐる被災地域の内と外の間、および被災地の外の各地域間での地域間交流を行う実践的研究「BM311」プロジェクトを、前期と後期にそれぞれ1回ずつ実施した。前期実践においては被災地外2地域と宮城地域、後期実践においては被災地外3地域と宮城地域が参加して実施した。各地域における災害とのかかわりを地域の社会文化的な文脈に基づいて把握、分析することで、災害の観点からみた地域文化の差異について理解していくための実践的方法と課題とを明らかにした。また、災害をめぐる各地域の施設や団体と連携することで、各地域に蓄積されている災害に関する知識や経験を、地域間の直接的交流によって継承していくための情報回路のあり方について実践的に検証した。 3. プロジェクト実践において、コミュニティFMやケーブルテレビなどの地域メディアとの連携や、地域の文化拠点である図書館や博物館などの文化施設との連携しつつ、地域間コミュニケーションの新たな回路作りの実践を行った。これらの実践を通じて、東京を中心としたメディアを介在したナショナルな視点による地域間交流ではなく、地域と地域が直接に相互交流していくためのコミュニケーション・デザインのための方策と課題を明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域イメージの再発見・再認識を目的とした地域間交流の実践的研究「ローカルの不思議」プロジェクトを、新たな参加校を加えて、全国10地域ののべ11大学・短大および4高等学校の参加により実施した。それと同時に、東日本大震災における地域間の認識の格差に着目し、同プロジェクトの観点と目的とを共有しつつ、とくに災害に関連した地域の社会文化に関する地域間交流の実践的研究「BM311」プロジェクトを実施して、新たな地域文化の再発見・再認識に関する実践研究を進めた。 また、各地域のコミュニティFMやケーブルテレビなどの地域メディアや、せんだいメディアテーク、中越メモリアル回廊などの地域における公共的な文化施設と連携することで、東京などの中央を介しない地域と地域とをダイレクトに結ぶ地域間コミュニケーション・プログラムのデザインについての実践研究を進めた。また、両プロジェクトの実践を通じて、各地域についての地域文化の表象についての実態についても調査を進めた。
|
今後の研究の推進方策 |
地域イメージの再発見・再認識を目的とした地域間交流の実践的研究「ローカルの不思議」プロジェクトを全国の大学・短大および高等学校の協力により実施する。その際に、地域文化に関する情報の発掘や収集、および情報の発信において、図書館や博物館、公民館、および市民団体等の組織・団体との連携をさらに進め、地域間交流の実践的方法とその課題を明らかにしていく。 また、地域メディアにおける地域文化の情報発信の実態調査を実施し、地域メディアに相互間の情報回路の実態について明らかにする。
|
次年度の研究費の使用計画 |
地域イメージの再発見・再認識を目的とした地域間交流の実践的研究「ローカルの不思議」プロジェクト実施のために、旅費および消耗品購入のための物品費として使用する。また、震災後の復興状況に応じて、東日本大震災に関連した地域の社会文化についての地域間交流の実践的研究「BM311」プロジェクトの実施も検討する。 また、地域メディアにおける地域文化の情報発信状況の実態調査の実施に際して、謝金等の費用を使用する。 さらに本プロジェクトの最終年度にあたり、最終的な成果発表のための費用として使用する。
|