研究課題/領域番号 |
23500315
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
中泉 拓也 関東学院大学, 経済学部, 教授 (00350546)
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研究分担者 |
藤原 正寛 武蔵野大学, 政治経済学部, 教授 (40114988)
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キーワード | 会話型知識 / CVM / VSRPD / 顧客ニーズ / アンケート調査 / 行動経済学 / アンケート調査 / クイジフィケーション |
研究概要 |
今回は,行動経済学的分析を補完するために研究分担者の藤原が中心となり、被験者がラボで、インセンティブを与えられて行う経済実験を中心に行った。従来の繰り返しゲームの実験では、関係が無限期間継続されるに相当する状況を仮想的にラボで実現するか、強制的にランダムに関係が断ち切られるかのどちらかの状況での経済実験が中心であったが、今回藤原を中心として行った実験では、繰り返しゲームの結果を見て、プレイヤーがいつでも相手との関係を、途中で断ち切れるVSRPDの実験を行った。途中で関係を断ちきるという選択肢がある場合、相手との関係を継続するという選択肢を選ぶことは、相手に対して好意的な評価を与えているというシグナルを送ることと理解できる。このシグナルがどのように利用されるかを実験で明らかにし、チープトークに近い評価システムとどのように乖離するかのベースラインを得ることに成功した。 特に興味深い知見として、関係を断ちきることがパニッシュメントとして利用される一方、他方では関係を継続することが相手を評価していることのシグナルとして機能していること。VSRPDの枠組みでは、相手が裏切るような行動をしても、それを許して関係を継続することで、長期的に協力関係を築こうとする戦略が存在することが検出されたことがあげられる。 また、日本の環境政策で行われているトップランナープログラムの中で使用されているエコラベリングがもたらした認知バイアスの影響について継続的に研究している。これは、制度の達成状況を色で示すというもので、結果として、未達成の製品を駆逐することにつながっている。この効果についてヘドニックモデルを用いて分析するとともに、成果を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケート調査を中心に行っている連携研究者の田中の体調の悪化のため,ギャンブルに関するアンケート調査がまだ出来ていない。また、研究分担者の藤原の研究との進捗状況を合わせるため,平成26年度に実験を行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
顧客ニーズと顧客アンケートとの相違について分析し、行動経済学的な知見をマーケティングにも応用出来るような分析を行う。 ラボでの実験を、情報構造を変更することで、ここでの研究のチープトークに近い評価行動との比較がより明確にする。更に、VSRPDの実験を複数の地域、国で行うことによって、各国のガバナンスの性質を比較し、研究結果をより普遍性の高いものとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
アンケート調査を中心に行っている連携研究者の田中の体調の悪化のため,ギャンブルに関するアンケート調査がまだ出来ていない。また、研究分担者の藤原の研究との進捗状況を合わせるため,昨年よりも本年度に実験を行うほうが研究の蓄積が期待出来る。また、本年度の場合、海外や他大学での実験を行うことも可能となるので、実験の開催を1年ずらすこととした。 ギャンブル選好に対するアンケート及び実験、VSRPDのラボの実験をパキスタン、マレーシアといった海外の大学で行うことを予定している。また、廈門でのEconometric Society China Meeting等で成果を報告する。そのための海外旅費、実験費用、アンケート調査費用を次年度に支出する。
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