研究課題/領域番号 |
23500322
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
丹治 和世 山形大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20512619)
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研究分担者 |
柳川 透 独立行政法人理化学研究所, その他部局等, 研究員 (80568858)
舟生 勇人 山形大学, 医学部, 助教 (40436209)
岩崎 真樹 東北大学, 大学病院, 助教 (00420018)
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キーワード | 中心前回 / 運動野 |
研究概要 |
発話のセルフモニタリングにおける遠心性コピーの神経基盤を解明するために、脳腫瘍症例の覚醒下手術中、聴覚および視覚刺激を用いた動詞生成課題施行中の頭蓋内脳波誘発反応を測定した。頭蓋内脳波は電極間間隔5mmの電極を用い、1kHzのサンプリングレートで記録した。動詞生成課題においては固視点が提示された後、視覚または聴覚刺激により名詞が呈示され、2秒間のインターバルの後、キューが表示される。被験者には、名詞が呈示された後、呈示された単語に関連する動詞を想起し、コンピュータ画面上にキューが出現した後、想起した動詞を構音するように指示した。聴覚刺激、視覚刺激それぞれ同じ単語の名詞を提示し、3症例において、頭蓋内脳波における誘発反応を測定した。症例1では、中心前回腹側の2領域において、聴覚刺激呈示直後に、高ガンマ帯域の反応が観察された。一方、同部位での視覚(文字)刺激による動詞生成課題では、刺激に対する反応はみられなかった。聴覚刺激で反応が観察された2つのクラスタのうち、腹側のクラスタは腫瘍直上に位置したため、やむなく切除を行った。術後の構音検査において、本症例は発語失行をきたした。症例2では、聴覚反応を呈する部位、視覚反応を呈する部位との間に解離がみられた。症例3においては、聴覚反応がみられる部位、聴覚反応と視覚反応の両方が見られる部位の両方があった。運動前野に構音のプログラミングの神経基盤が存在することは定説となりつつあるが、中心前回内での機能局在について詳細は知られていない。今回観察された所見は、中心前回における聴覚処理を行う領域が構音のプログラミングに関与することを示す直接的な証拠であるとともに、中心前回運動前野の、発話に関する機能局在の多様性について、直接的に示すデータである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中心前回における聴覚反応、視覚反応については順調に症例数を重ねているが、当初データ収集予定であった聴覚野からは、該当する症例がおらず、データ収集が進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得られたデータから、語想起に関与する部位、構音のプログラミングに関与する部位、聴理解に関与する部位が頭蓋内脳波で同定可能であることが示された。今後は、これらの部位間の機能連関について研究を進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
これまで得られたデータの解析をすすめると共に、国際学会での発表を予定している。
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