今後の研究の推進方策 |
平成23年度の作成したデータベースをさらに強化するために,サンプルを収集しその塩基配列を同定するとともに,これまでに行動指標,脳活動の指標において得たデータを,セロトニン神経系(セロトニン神経系遺伝子多型((1)5-HTTLPR{serotonin-transporter-linked promoter region (SS, L carrier)}, (2)5-HT2AR{serotonin 2A receptor(A-1438G)})以外の遺伝子多型との関連において検討する。 加えて,衝動的行動の制御への関与が明らかとなっている前頭前野腹外側部、前頭眼窩皮質、背側・腹側線条体を仮説領域とし,それらの領域がセロトニンによっていかに調整され,相互に協調しているのかについてfMRIを用いて明らかにする。 さらに,神経情報伝達物質および脳活動に関する知見を総合し,システム全体の振る舞いが、個々の脳領域のいかなる活動と関連するのかを明らかにし,衝動的行動の制御に関わるシステムの作動原理について,個人差を包括した統合的なモデルを作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度と同一の実験課題において,fMRIを用いて観測される脳部位の活動へのセロトニン機能の影響について検討し,衝動的行動の発現と抑制に関わる作動原理を明らかにする。そのための研究費の使用計画は以下のとおりである。 ① 消耗品: 爪・毛根等よりDNAを抽出するために必要な試薬、遺伝子多型を同定するためのPCR(polymerase chain reaction)等に用いる試薬類、測定用品を計上する。 ② 旅費: 研究成果を公表し、最終的な研究成果へと反映させるための、国内学会1回、海外で開催の国際学会1回への参加旅費を計上する。 ③ 謝金: fMRIによる脳画像撮像につき、実験参加者への謝礼を1時間1200円として計上する。 ④ その他: 論文掲載料、および最終年度には報告書を印刷するための費用を計上する。
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