様々な分野で作業への注意集中力をいかに維持させるかが求められてきた。しかし注意集中が過度になると他の事象に対する知覚抑制が生じ、「ヒヤリハット」事故につながりやすい。本研究は、注意集中と関連するFmθ脳波が「ヒヤリハット」に結びつく知覚抑制と関連する可能性を検討した。 実験には運転シミュレータを用い画面周辺に英文字をランダムに提示した。文字の識別度を比較したところ、文字認知率とFmθ出現は有意な負の相関があった。質問紙によるヒヤリハット行動の自覚量の多さに対しFmθ出現の有無は有意に逆相関した。しかし文字認知不能時の直前200m秒間の脳波分析では、文字認知時に比べFmθ出現に違いはなかった。
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