数と空間の共感覚である数字列形は,個人間での多様性,個人内での一貫性,規則性と不規則性の混交という3つの特性をもつ.研究代表者は,これらを自己組織学習の原理から説明する枠組みSOLAを提案した(Makioka, 2009). 本研究では,数の大小判断に関する心理実験を用いて,数と空間の間の自己組織化学習が非共感覚者においても生じるという仮説を検討した.一連の実験により,数と空間の対応関係は個人間で多様であり,かつその対応関係には規則性と不規則性の混交が見られることが明らかになり,仮説が支持された.今後,SOLAが他のモダリティ間学習にも適用可能か検討する必要がある.
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