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2011 年度 実施状況報告書

"気がきく"ことの加齢変化とその機能的メカニズムに関する認知神経心理学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 23500337
研究機関滋慶医療科学大学院大学

研究代表者

石松 一真  滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 准教授 (30399505)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード展望記憶
研究概要

本研究では「気がきく」ことの機能的メカニズムを認知神経心理学的観点から解明することを目的とし、1.「気がきく」ことの評価課題の作成、2.「気がきく」ことに生じる年齢差の検討、3.「気がきく」ことと展望記憶との関連性の検討、の3つのサブテーマを設定した。本研究では「気がきく」ことを、場面に現れる『サイン』に気がつき、『サイン』に対応する『行為』を想起し、その『行為』をプランし、タイミングよく実行できること、と定義した。本年度は研究実施計画に従い、1.「気がきく」ことの評価課題の作成に従事した。まず日常の場面で「気がきく」とされる行為に関する質問紙調査を実施する上で必要となる質問項目の作成に取り組んだ。大学生41名を対象に予備調査を行い、「気がきく」ことの定義およびこれまで出会った「気がきく」人について自由記述を求めた。参加者は各自回答を行った後、6~7名でグループワークを行い、「気がきく」ことの定義を決定し、具体的な質問項目を各グループ3つ以上作成した。グループごとに決定した「気がきく」ことの定義および質問項目を検討した結果、「気がきく」行為は、(1)場面に現れる『サイン』に気がつくこと、(2)気がついた『サイン』に対応する適切な『行為』を想起し、その『行為』をプランし、その場の状況に応じてタイミングよく実行できることという2つの要素に支えられていることが明らかとなった。予備調査の結果は、類似したメカニズムを有する展望記憶の概念を拡張し、「気がきく」ことの機能的メカニズムを認知神経心理学的観点から解明しようとする本研究の問題設定の妥当性を再確認する重要な知見となった。これらの結果を踏まえ、「気がきく」ことに関する質問項目に、更に展望記憶に関する質問項目を加え、質問紙のプロトタイプを作成した。また、展望記憶パラダイムを用いたPCベースの評価課題を作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請者は、平成23年4月1日より現職に就き、新たな職場(滋慶医療科学大学院大学)にて研究・教育活動を開始した。本研究の目的を達成するためには、実験参加者プールの構築をはじめとした研究環境の整備が必要不可欠となるため、本研究と並行して進めることとした。これらの状況を踏まえ、本年度は特に研究材料の準備(質問紙や実験課題の作成)に焦点を当てることとし、相当数の実験参加者が必要となる質問紙調査の本調査および評価課題を用いた予備実験は二年目に実施することとした。これらの理由により、当初の研究実施計画に対し、平成23年度の研究目的の達成度にはやや遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

二年目となる平成24年度は、まず平成23年度の繰り越し分である質問紙調査の本調査および評価課題を用いた予備実験を速やかに実施する。その後、当初の研究実施計画に従って平成24年度に予定している2.「気がきく」ことに生じる年齢差の検討、を進めていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度は、特に質問紙の作成や実験課題の作成などの研究材料の準備に焦点を当てて研究を進めたため、質問紙調査の本調査や評価課題を用いた予備実験を実施する際に支出を予定していた実験参加者および実験補助者への謝金等は次年度に繰り越すこととなった。平成24年度の研究費の使用計画としては、まず質問紙調査の本調査および評価課題を用いた予備実験を実施する際に、平成23年度の計画に従い、実験参加者および実験補助者へ謝金等を支出する予定である。次に、実験効率の向上のため、簡易型刺激提示装置をPCベースの評価課題実施用に購入する予定である。また、研究実施計画に従い、平成24年度予定分の実験参加者および実験補助者に対して謝金等を支出する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 脳とこころの視点から探る心理学入門(松本絵理子編著)2011

    • 著者名/発表者名
      石松一真
    • 総ページ数
      pp.132-144
    • 出版者
      培風館

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公開日: 2013-07-10  

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