研究課題/領域番号 |
23500344
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
関 庸一 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90196949)
|
キーワード | データマイニング / 自己組織化 / 統計数学 / 多項ロジットモデル / 医療保険サービス |
研究概要 |
本年度は3年間の研究の第2年度として、以下の可変自己組織化マップの実用算法の改善と、各種データ整備と解析を行った。 1、可変自己組織化マップの改善については、昨年度開発したアルゴリズムを改良し、クレジットカード利用履歴データに対し提案法による推定事例を含めて論文として発表した。また、二つの自己組織化マップの間での対応をとる方法について検討を進めた。 2、データ整備とその解析としては、主に以下の3つを行った。まず、(1) 自治医科大との共同研究において全国規模の健康保険レセプトデータのデータベース化に協力し、このうち群馬県でのデータに対し、分析を行った。具体的には患者の位置情報と受診履歴について、疾病率の推定法や病院選択モデルを提案し、その解析結果を学会発表した。(2) 地方都市での交通手段利用データとして、桐生市民の利用交通手段と移動先の選択について多項ロジットモデルによるデータ解析を行い学会および論文発表をした。また、JST採択課題「地域力による脱温暖化と未来の街-桐生の構築」と協力し、桐生市民から無作為抽出アンケートを新たに実施し、2963名の移動行動の記録を得た。これについては今後、利用交通手段と移動先の選択に関するモデルについて分析を進める予定である。(3) クリーニングが済んだ数年間に渡る全国の電子基準点データに対し、時系列データとしての地盤変動パタンの分析を進め、傾向変化検出法について検討を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
可変自己組織化マップの実用算法については、これから実証研究を進める中で改良が必要とは思われるが、概ね開発ができた。各種データベースの整備については順調に進捗し、モデルの検討と解析を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
平成23年度採択された科学研究費 基盤研究(A)「地域医療データバンクの活用による地域医療需要と医療資源からみた地域医療の効率化」(平成23-26年、課題番号3249027)の研究分担者として、この研究により整備される地域医療データバンクのデータも利用して、これに適合したモデルの構築とその解析の方法論の研究を進める。また、その他のデータについても、モデルの検討と解析を進める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度は助成額を、データベースの整備および、そのための計算機環境整備、調査および研究成果の発表のための経費に用いる予定である。
|