研究課題/領域番号 |
23500348
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
濱崎 俊光 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40379243)
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研究分担者 |
杉本 知之 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (70324829)
上坂 浩之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60446250)
山本 紘司 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (10548176)
林 賢一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70617274)
杉谷 利文 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70626879)
寒水 孝司 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80408723)
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キーワード | 臨床試験 / 多重エンドポイント / 部分集団解析 / Enrichmentデザイン / 国際共同試験 |
研究概要 |
平成24年度においては,目標として掲げた三つの課題のうち,課題①「複数の評価指標と仮説を伴う臨床試験のデザインと解析」について,(1)評価指標が事象時間変数で,ログランク検定統計量に基づく場合,およびより簡便な方法として(2)事象時間変数に指数分布を仮定した場合,(3)2値評価指標と事象までの時間が混在する場合の標本サイズの設計の方法を整備した.また,これらの検討ではすべての評価指標について統計的有意性を主張する場合は,症例数が評価指標の個数に応じて増加するが,それは変数間の相関を考慮したとしても十分に抑制できないことがある.そこで,救済的であるが,現実的な方法として,群逐次デザインの枠組みのなかで症例数設計の方法を検討した.課題②の「Enrichment集団を対象とする臨床試験のデザインと解析」については,Enrichment集団の解析を部分集団解析として捉え,その多重性を考慮した解析方法の問題点を整理し,Gatekeeping法に基づく方法の適用可能性を検討した.課題③の「国際共同試験のデザインと解析」については,継続して国際共同試験データを利用して日本で承認された医薬品について事例研究を継続して行った.得られた成果については,国内・海外の学会などを通じて結果を広め,また,24年度に先んじて,国際研究会を開催し,先鋭の研究者との交流を行い,客観的評価と批判をうけた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
目標として掲げた三つの課題のうち,課題①では昨年以上に大きな進捗が見られ,さらに,研究期間3年を通して目標として掲げた内容をほぼ達成し,さらに新たな課題に挑戦した.課題②および課題③では,本年度に目標として掲げた内容をほぼ達成した.
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今後の研究の推進方策 |
全体計画に基づき,とくに実地での適用拡大と方法論の標準化の二つに重点をおきながら,昨年度からの研究を発展・拡大させる予定である.研究代表者・分担者は年度末にそれぞれの結果をもち寄って議論し課題・問題点を整理し,そのうえで総合的な評価を試み,また,その段階で進捗状況を整理し,進展が著しい,あるいは進展がとくに期待されるか,または他の領域に大きい影響を及ぼすと考えられる研究箇所は適宜に役割分担を追加もしくは入れ替えといった調整を行い,研究計画・方法を見直した.とくに,課題①については,大きな成果がえら得れたことから,その成果の纏めとして,また研究をさらに発展させるために,6月および7月に外国から研究者を招へいし,討論することを予定している.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込額と執行額は若干,異なったが,研究計画に変更はなく,前年度の研究費も含め,主として外国人研究者招へい,国内外での研究成果の発表,研究成果の投稿料として,当初予定通りの計画を進めていく予定である.
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