研究課題/領域番号 |
23500356
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
南 美穂子 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70277268)
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研究分担者 |
柴田 里程 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60089828)
清 智也 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (20401242)
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キーワード | 国際研究者交流 / 国際情報交流 / アメリカ / 生物資源評価 / 時空間モデリング / 環境リスク評価 |
研究概要 |
生物資源評価のための時空間的モデリングの研究は、全米熱帯マグロ類委員会の Cleridy Lennert-Cody博士らと共同で行った.Zero-inflated データに負の2項回帰モデルを用いた場合の傾向の過大推定の研究は、これまでの成果をまとめて論文にし、学術誌「統計数理」に掲載された.また、海洋生物の急激な減少を主張して注目を浴びた著名論文の中でも本研究で指摘したように傾向を過大推定している可能性があるため、サンディエゴでLennert-Cody博士らと当該データの取得・再解析に関して検討した.このときの議論をきっかけとして、マグロ漁船によるイルカ発見数データの解析に関する新たなプロジェクトを開始した.現在は、Compound Poisson regression modelの拡張モデルを検討中である.3月5日には慶應義塾大学矢上キャンパスにて海洋生物資源評価手法に関する国際シンポジウム「Innovation and Challenges for Fisheries Assessment and Management」を開催した. 環境データ解析・リスク評価においては、季節により連続的に変化する日次変動を解析するために、2つの周期的スプライン関数にテンソルプロダクト法を用いて得られる2重周期スプライン法を提案し、その数理的性質を解明した.この方法、および、季節により変化する風速の影響を表す平滑法を用いて南極昭和基地で観測されたCO2濃度データの解析を行い、夏にはCO2濃度の日次変動が存在すること、風速の影響が季節により異なることを示すことができた.これらの結果は統計関連学会連合大会や科研費集会などで口頭発表し、現在は論文を執筆中である.大気汚染物質の健康への影響評価のプロジェクトでは、観測点以外の地点での汚染物質の量を、その物質の他地点での観測値や環境データを用いて補完し、健康への影響評価を適切に行う方法についての共同研究を開始した.
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