研究課題/領域番号 |
23500357
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
柳本 武美 中央大学, 理工学部, その他 (40000195)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | Bayes 法 / 交叉検証法 / 退化型事前分布 / 平滑化 / 2x2分割表 / DIC |
研究概要 |
本研究はベイズ型交叉検証法の視点から研究を開始した。最近の Plummer(2008)の貢献が、頻度論とは異なる枠組みがあるからである。例えば Wahba の一般化交叉検証法と大きく異なる。しかも我々の枠組みで見ると対数予測子が理論の骨子に据えられているので、その拡張と整理は容易に見える。また、タフな問題ではあるが、平滑化のトレ-ドオフ母数の推定がある。この研究については一応の成果を得た。これに関連して情報の統合化に取り組んだ。退化型事前密度の利用が結局は最尤推定への回帰であることが明瞭になってきた。この点は多くの研究が指摘しつつある。しかもベイズ統計では基本的な転換を意味するところでもある。 上記の研究に併行して対立仮説モデルの事後確率に基づいたベイズ検定の頻度論的拡張を行った。事後確率に基づいているので本研究の中心課題である。単純且つ基本的拡張が実はオリジナルなアイデアであることが分かってきた。そこで基本的な2x2分割表の場合を中心に集中的に研究している。この研究については大学の研究者の参画を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的として「周辺尤度による事前分布の評価による重大な欠陥を明確に示せると見込んでいる」「研究課題は競争の激しい分野だから・・・より実際的には事後密度に基づいた推測が適した分野を確認することになる。」「e-混合Baeys予測子の視点からはごく自然にベイズ型交叉検証法が提案できる。」などをあげた。 全体としては順調に進行していると考えている。当面の目標であったベイズ型交叉検証法については原稿にまとめることができた。関連の研究を探っている状態である。これに関連して情報の統合化の研究は、研究集会では発表する段階までは達したが最後の詰めに問題が残っている状況である。幸い共同で研究していた連携研究者が、この研究に着想を得て急進展を見せて大きな大きな発展を示した。その結果の一部はリサーチ・メモとして登録した。更にe-混合Baeys予測子及び事後確率に基づいた研究の方も、現在順調に進展しつつある。若い研究者の参画を得ることができたからである。その一部は次年度に国内で計画されている3つの会議において順次発表の予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究の方向は明確であり着実に結果を得つつある。次年度の研究で特記すべき点は数理統計学・ベイズ統計学・生物統計の3つの国際研究集会が予定されていることである。本研究とは何れも何らかの形で関連がある。情報の流通が進んだ今日でも国内の若い研究者が当該分野に関心を示すことは本研究の遂行には好環境を提供してくれると期待される。研究対象を生物分野に向けることで良い効果が得られると見込んでいる。 上記のように研究発表も堅実に行っていてその反応も悪くはない。問題は基本的な枠組みに対する挑戦であることから、根強い批判がある。退化型事前分布と周辺密度に対する執着は強いからこの反応はやむを得ない。結局細かい結果の積み重ねを通じて対峙するしかない。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の研究費の使用は予定より少なくてすんだ。一つの理由はアルバイトを予定した院生が共同研究者として参加したことによる。この点は研究の遂行としては良い結果を生むことになる。また、予定したソフトウェアを購入しなかったことがある。次年度の使用については特段の配慮は行わないが、最終年度に予定している国際研究集会への参加費用は留保できるように配慮する。
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