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2012 年度 実施状況報告書

事後密度に基づいた経験ベイズ法への転換

研究課題

研究課題/領域番号 23500357
研究機関中央大学

研究代表者

柳本 武美  中央大学, 理工学部, その他 (40000195)

キーワードBayes 法 / 交叉検証法 / 退化型事前分布 / 凸関数 / DIC
研究概要

経験ベイズ法では事前密度に未知である超母数を含む。事前密度の評価は主として周辺尤度が用いられている。現状から適用領域の広い経験ベイズ法への転換を試みる研究を行っている。
本年度の主要な目標は弱い事前情報をもつ事前分布の役割である。無情報事前分布をそのまま理解するのは困難であって、必然的に proper になる弱い事前分布から評価することが視点が定まりやすい。弱い情報しか持たない事前密度の極限をして捉えた。この理解の中で極限への収束の連続性を議論した。弱収束性が最も弱いが加えて相対エントロピーを距離とした連続性についても議論した。結果はリサーチメモとして登録し、現在学術誌に投稿中である。
次のステップとして、弱い情報を持つ事前分布の族についての詳しい構造を調べる必要が生じた。この視点が、今日の経験 Bayes 法の限界を突破する鍵が隠されていると見なすからである。そのためには先ず事前分布が持つ情報量の大きさを評価する必要がある。相対エントロピー最も自然である。一方で、確率的大小の視点からの評価することは解析的な簡明であること及び理解がし易すいことから発展性が見込まれる。具体的には凸関数の理論を適用して既存の半順序を拡張した。その上でBayes モデルでの事前密度と事後密度に見られる積構造との関連を指摘することができた。
この結果が次の展開を支える基盤を提供する。更には凸関数の理論がもたらす分布理論への新たな方向が見えてきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の目的として「周辺尤度による事前分布の評価による重大な欠陥を明確に示せると見込んでいる」「研究課題は競争の激しい分野だから・・・より実際的には事後密度に基づいた推測が適した分野を確認することになる。」「e-混合Baeys予測子の視点からはごく自然にベイズ型交叉検証法が提案できる。」などをあげた。
前年度は研究目的に沿って順調に進行した。本年度は少し微調整を行いながら、当面の目標である事後密度に基づいた経験ベイズ法の発展についてについて本プロジェクトを発展させている。幸い国内で国際研究集会が続けて開催されたので、発表などを通じて関連研究者とアイデアの交流が行えた。 前年度に引き継いで研究した事前情報を利用した検定と有意でなかった試験の再試験の研究は国際会議で発表した。弱い情報をもった事前密度の研究は国際研究集会で発表すると共に投稿中である。連携研究者が共著として纏めた原稿は出版予定である。連携研究者の研究者の研究は新しい展開を見せている。

今後の研究の推進方策

前年度は研究目的に沿って順調に進行した。本年度は少し微調整をしながら、当面の目標である事後密度に基づいた経験ベイズ法の発展についてについて本プロジェクトを発展させている。未知母数上に退化した事前密度を利用する現状の経験 Bayes法の限界が明瞭になった。この密度の破綻は周辺密度最大化法の破綻でもある。代替の視点としての事後密度には明瞭でない点があって、予測密度と共に考慮する必要がある。
一方で、検定法の新たな視点と凸関数の新たな利用も興味深い点である。この分野は我が国の研究者の貢献が著しい分野でもある。

次年度の研究費の使用計画

本年度の研究費として国際研究集会への参加がある。昨年度のように国内での国際研究集会が多かったが本年度は予定がないからである。それ以外にも研究に必要なソフトウェアの購入・計算機付属品を購入したい。また、これまで計算の一部を院生の学習として実施されていたが、本年度はアルバイト代として計上する。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (11件)

  • [雑誌論文] Twofold structure of duality in Bayesian model averaging2013

    • 著者名/発表者名
      Ohnishi, T. and Yanagimoto, T.
    • 雑誌名

      Journal of Japanese Statististical Society

      巻: 43 ページ: 0

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Permissible boundary prior function as a virtually proper prior density.2012

    • 著者名/発表者名
      Yanagimoto, T. and Ohnishi, T.
    • 雑誌名

      ISM-Reaerch Memorandum-1159

      巻: 0 ページ: 0

  • [学会発表] 柔軟な臨床試験のデザインとBayes法

    • 著者名/発表者名
      小林千鶴 (中央大学) 鎌倉稔成 (中央大学) 柳本武美 (中央大学)
    • 学会等名
      応用統計学会2012年度年会
    • 発表場所
      統計数理研究所
  • [学会発表] 臨床試験登録が担保する事前分布の柔軟な仮定

    • 著者名/発表者名
      柳本武美 (中央大)小椋透 (中央大) 小林千鶴 (中央大)
    • 学会等名
      計量生物学会2012年度年会
    • 発表場所
      統計数理研究所
  • [学会発表] Permissive boundary prior function as a virtually proper prior density

    • 著者名/発表者名
      Yanagimoto, T. and Ohnishi, T.
    • 学会等名
      ISBA2012 (国際ベイズ解析学会)
    • 発表場所
      京都テルサ
  • [学会発表] Dual saddlepoint equalities in model averaging and their implication

    • 著者名/発表者名
      Ohnishi, T., Dunn, P. and Yanagimoto, T.
    • 学会等名
      imsAPRM2012 会議
    • 発表場所
      筑波 エポカル
  • [学会発表] Designing an additional trial after a non-significant result: a Bayesian predictor-based procedure

    • 著者名/発表者名
      Yanagimoto, T.
    • 学会等名
      IBC2012(国際計量生物学会)
    • 発表場所
      神戸国際会議場
  • [学会発表] Flexible and powerful exact tests of two proportions based on the posterior probability of the alternative model

    • 著者名/発表者名
      Ogura, T., Kamakura T. and Yanagimoto, T.
    • 学会等名
      IBC2012(国際計量生物学会)
    • 発表場所
      神戸国際会議場
  • [学会発表] Twofold structure of duality in Bayesian model averaging

    • 著者名/発表者名
      大西俊郎 (九州大) 柳本武美 (中央大)
    • 学会等名
      連合統計大会
    • 発表場所
      北海道大学
  • [学会発表] 検定統計量としての対立仮説モデルのベイズ信用度 平成24年 9月 11日

    • 著者名/発表者名
      柳本武美 (中央大)
    • 学会等名
      連合統計大会
    • 発表場所
      北海道大学
  • [学会発表] 再試験を許容する検定法の性能と拡張

    • 著者名/発表者名
      小林千鶴 (中央大学) 鎌倉稔成 (中央大学) 柳本武美 (中央大学)
    • 学会等名
      科研研究集会「医学統計と数理の接点を探る 」
    • 発表場所
      南山大学
  • [学会発表] 比較試験で informative 事前分布を仮定する試み

    • 著者名/発表者名
      柳本武美 (中央大)
    • 学会等名
      科研研究集会「医学統計と数理の接点を探る 」
    • 発表場所
      南山大学
  • [学会発表] Twofold structure of duality in Bayesian model averaging: Continuous case

    • 著者名/発表者名
      大西俊郎 (九州大) 柳本武美 (中央大)
    • 学会等名
      科研研究集会「統計的推測とその応用:正則と非正則
    • 発表場所
      東海大学

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公開日: 2014-07-24  

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